資金繰り表とは ~今こそ、資金繰り表を!~
先日、ある経営者から電話がありました。
「先生、9月に資金ショートしそうです!」
7月にはボーナスも支払っています。
このままでは9月の給料を支払ったら現金が無くなりそう。
というわけです。
増える企業の倒産件数
コロナ禍は乗り越えましたが、その時に借りた資金の返済が始まっています。
原材料費や人件費はどんどん上がっています。
そんなわけで、せっかく減少していた企業の倒産件数は、コロナの後、また増えてきているのです。
2026年は、まだ8月になったばかりの数字なので、これから増えることが予想されます。
小さな会社の現状
小規模事業者と言われる小さい会社は、損益分岐点比率の平均が92.7%です。
損益分岐点比率というのは、
「今の売上が、赤字にならないギリギリの売上にどれくらい近いか」
を表しています。
例えば、損益分岐点比率が30%だったら、
今の売上が30%まで減って、初めて利益がゼロになります。
つまり、売上が70%減っても赤字にならない余裕があります。
これが、小規模事業者のデータだと、92.7%なわけですから、今の売上より、7.3%下がったら赤字に転落するということです。
大企業だと、損益分岐点比率の平均は60%なので、まだ余裕があります。
小さな会社は、利益の薄いところで頑張っているところが多いのです。
借り入れをしている会社は、このぎりぎりの利益に減価償却費を足した中から返済もしなければならないのです。
帳簿の「利益」は、手元にある現金ではない
でも、帳簿のその「利益」、今、手元にあるでしょうか?
お客さんに商品を売っても、それがカードで支払われた場合、売上は完了しましたが、その時点で使える現金は増えていませんよね。
- いつ、お金が入って来るのか
- いつ、給料を支払わないといけないのか
- いつ、返済しないといけないのか
そのやりくりが、非常に大事です。
だからこそ、資金繰り表が必要です。
資金繰り表は、将来のお金の流れを具体的に予測するためのツールです。
じゃあ、どうやって作るの?
ということですよね。
資金繰り表の形は、決まっているものではありませんが、政策金融公庫のHPからもダウンロードできます。(https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html)
これに、今までの現金出納帳や預金出納帳を見ながら
売上の入金 借入金などの入金 仕入、給与、経費の支払い 借入金返済 税金、社会保険料
などを入れていけば、これからのお金の流れが予測できます。
資金繰りをいつまで予測する?
じゃあ、いつまで作るの?
ということですが、1年以上作っておいて管理すると安心です。
東京商工リサーチのアンケート(https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2021/chusho/b2_1_1.html)では、
予測期間が短いほど、
- 借入金が多い
- 手元現預金が少ない
- 借入れの返済負担が大きい
- 売上債権の回収が遅い
などを回答した企業の割合が高い傾向にあるそうです。
予測期間が長ければ、
- 金融機関への相談
- 返済条件の見直し
- 価格転嫁
- 支出の調整
- 売掛金回収の早期化
など、早めに手を打つことができ、安心して眠れるというわけです。
冒頭に出てきた社長さんも、9月になってからではなく、7月の段階で相談してくれたからこそ、打てる手があります。
まだ資金繰り表を作っていない会社は、是非、今日から作ってみてください。