ピボットテーブルとは ~宝の山を発掘する道具?~
先週は、あるレストランのご相談対応に行ってきました。
ホールの人に悩みを聞くと、「何をお勧めしていいかわからない」という答え。
「おすすめは何ですか?」と聞かれても苦し紛れに「全部おいしいですよ」と答えているというのです。
- レストラン側では何を食べて欲しいのか
- お客様からは何が好まれているのか
それがわからないとお勧めしたいものはわかりませんよね?
そこで、今まで何の注文が多いのか、調べてみることにしました。
レシートを分析
このレストランではポスレジを使っていないので、レジに白紙のロールを入れ、使い終わったらぐるぐる巻きのまま、段ボール箱にポン。
段ボール箱には、使用済みレシートのロールが沢山。
これは全部お客様の声。
もったいないので、試しに一つお借りして分析することにしました。
エクセルに入力
一巻きのレシートには、ほぼ一ヵ月の情報が。
- 2月16日(日)
- 人数 1名
- ランチ ¥1,000
- 11時30分
という具合です。
まずはエクセルに落とし込みます。
- 縦軸に年、月、日、曜日、時間帯
- 横軸に食事、デザート、飲み物
の枠を作り、入力します。
こんな感じ。
これが一番めんどくさい作業です。
これができたら、ピボットテーブルの出番です。
ピボットテーブルの挿入
まず、表の中のセルをひとつ選んで、挿入タブでピボットテーブルをクリック。
すると、表の範囲を確認する画面が現れるので、「OK」をクリック。
ピボットテーブルのシートが現れます。
軸を作る
ピボットテーブルは、ボックスに、項目を入れるだけで、いろんな軸で表を作ってくれます。
シートの右側の上には、入力した時の項目が現れます。
今回私が作った項目は、「年」「月日」「曜日」「時間」「食事」「デザート」「飲み物」でした。
右側の下には、4つのボックスが現れます。
このボックスに、右上の項目を入れて、表を作ります。
ボックスは、表にしたときのイメージを考えてそのまま項目を入れられるようになっています。
行に入れたいもの、列に入れたいものを想定して、フィールドからドラッグ&ドロップ。
今回は、食事の注文された個数を見たいだけなので、行と値のボックスに、「食事」を持ってきます。
すると、一瞬で、上のようにメニューごとの注文数が出てきます。
もし、時間帯で知りたければ、列に「時間」を入れると、時間ごとの注文数が出てきます。
例えば
「何時が忙しくて何時がヒマ?」
と考えた場合
縦軸に時間帯、横軸に食事・飲み物などの種類がはいった表あればいいですよね?
縦軸には時間を出したいので、フィールドに現れた「時間」を選び、下の「行」のボックスにドラッグ&ドロップ。
次に、「値」のボックスに、「食事」、「飲み物」、「デザート」をそれぞれドラッグ&ドロップ。
すると上のように、一瞬で左側に思い通りの表が現れます。
軸を入れ替えてみる
今回は、曜日ごとの注文数も知りたいので、「時間」を「曜日」に入れ替えてみます。
すると、また一瞬で先ほどの時間のところが曜日に変わりました。
ピボットテーブルを使えば、このように入力したデータを、いろいろな表にしてくれます。
グラフにしてみる
もし、棒グラフにしたければ、この表を選んで棒グラフをクリック。
グラフにするときは、「総計」は選ばないように気を付けます。
一瞬で棒グラフが出来上がります。
表やグラフを見て考える
こうしてデータを可視化すれば
- 「メニューがばらけすぎてるなあ」
- 「この時間はお客様が多いから、ホールのスタッフを増やそう」
- 「火曜日はお客さんが少ないから、火曜日だけのメニューを考えようかな?」
などと考えることができます。
レシートの一巻きが、顧客分析データに早変わりです。
ピボットテーブルを使いましょう
ピボットテーブルは、エクセルに「もれなく」ついています。
高い分析ソフトを購入する必要はありません。
簡単な操作で欲しい情報が可視化できます。
私も次回このレストランにお邪魔した時には、これを見ながらスタッフのみなさんでメニューの話し合いをしてもらうことになっています。
どんな意見が飛び出すか、楽しみです!
ピボットテーブルは、感覚に頼らない「根拠ある判断」を助けてくれる、経営の心強い味方です。
ぜひ、ご活用ください。