先日、家族で回転寿司に行くと、ガチャがありました。


5皿食べれば1回挑戦できるというもの。


一皿につき10円払えば確率が上がるらしいです。


今や、スーパー、空港、駅、お土産屋さん、などなど

いろんなところでガチャを見つけます。


人はなぜガチャが好きなんでしょう?


スキナーボックスとは


アメリカのスキナーという心理学者は、動物はどんな「ごほうび」が嬉しいかを研究していました。


パブロフという人も、ご褒美の研究をしていました。


パブロフの犬では、

ベルが鳴って餌がもらえる。


これが続くと、

ベルが鳴っただけで犬はよだれを出す

というものでした。



これは「条件反射」と習いました。


スキナーのネズミは、

ある箱に入れられます。


ベルも鳴らないし、エサもない箱。


でも、そこにレバーがついていて、たまたまレバーを下げたら餌が出ました!




ネズミはレバーを下げて餌を食べるようになります。


スキナーボックスでは、

「ある行動で報酬を得られるとわかると、それを行うようになる。」

ということがわかりました。


これは「オペラント条件付け」と呼ばれています。


「operant」には、「自発的な」という意味があります


オペラント条件付けの続き


そして、これには続きがあるのです。


レバーを下げると餌が出るとわかったネズミ。


ではレバーを下げる意欲が多いのはどんなときか、スキナーはいろんな箱で研究します。


スキナーの箱は、次の4種類


  1. レバーの上げ下げに関係なく、一定の時間がたつと餌が出る箱。
  2. レバーの上げ下げに関係なく、餌が出てきますが、時間は不定期。ある時は5分待つと出てくるし、ある時は20秒で出る箱。
  3. ネズミがレバーを下げた時だけ、必ず餌が出る箱。
  4. ネズミがレバーを下げると、エサが出る時もありますが、出ないときもある箱。

さて、ネズミが嬉々としてレバーを下げるのはどの箱でしょう?

そりゃ、当然、合理的に考えたら3番の箱でしょ?

と思いきや、実は4番の箱だったというのです!


どうして?


ネズミの心理はこうです。

「このレバー提げると餌が出るよね。」

「あれっ?!」

「出てこない。」

「もう一回、もう一回、出るまでやるぞ!」

「出たー!!!」



「もう一回やってみよう♪」

という感じ。


いつも餌が出るレバーよりも、時々しか出ないレバーの方が、レバー下げるという行為を長く繰り返すらしいです。


ガチャは、まさに3番目のスキナーボックスですよね?


部分強化


いつも必ずご褒美がもらえるようなシステムは「連続強化」と呼ばれます。


たまにしかご褒美がもらえないシステムは「部分強化」です。


動物は、「連続強化」よりも「部分強化」のほうが快楽を感じるらしいのです。


脳内には、「報酬系」という神経物質があります。


良く知られているのは「ドーパミン」。


ドーパミンは、単に餌を得られた時よりも、探求したり挑戦したりすることで幸福感が得られる物質なんだとか。


  • どうしてガチャが流行るのか
  • どうしてパチンコやゲームがやめられないのか
  • どうしていつものお給料よりも、ボーナスのほうが嬉しいのか


これは、動物が探求したり、挑戦したりすることで幸福感が得られるからなんですね。


ある行動で報酬が得られるのはわかっている。


でも、それは確実ではない。


こんな予測不可能なことに挑戦することで、ドーパミンが大放出。



人を夢中にさせる「ガチャ的報酬」。


やれば必ず成功する簡単なことより、失敗もするけど、頑張ったら成功することもある仕事のほうが、ドーパミン的に幸福。


社員のやる気を引き出すのにも、使えそうです。