コミュニケーション質向上セミナー潜入調査(1/5) ~人間の悩みはすべて対人関係?~
2022年5月17日から5回にわたり、 サイテックが実施する「コミュニケーション質向上セミナー」にオブザーバー参加させていただきました。
研修するのは、大仙市の株式会社フルヤモールドの管理職の方たち10名。
常務の美幸さんは、
- 工場で指導する管理職と部下の人たちとのコミュニケーションの質が高まればミスも防げて歩留まりも良くなるはず。
- それになにより、社員が幸せになれるのでは?
と考えて今回のセミナーの実施を決断したそうです。
コミュニケーション質向上セミナーとは
セミナーは、理論編30分・体感編90分の5回シリーズで構成されています。
理論編は座って話を聞く講義形式。
体感編はシアターエデュケーションを活用したコミュニケーションワークショップです。
「シアターエデュケーション」というのは、役者さんの訓練に使われている手法を社員教育に応用した取り組みです。
講座は
- 第1回目 コミュニケーション大事さ講座
- 第2回目 ストレスとの向合い方
- 第3回目 自己理解他者理解
- 第4回目 感情コントロール
- 第5回目 コミュニケーション発表会
と進んでいくようです。
このセミナーが、社員の方のコミュニケーション力にどんな風にアプローチしていくのか興味津々です。
今回は第1回目のご報告です。
理論編
「人間の悩みはすべて対人関係である。」
これは、アドラー心理学で有名なアルフレッド・アドラーの言葉です。
アドラーが言うには、
「人間の幸福は自己実現にある。」
例えば、絵を描くことが好きな人が絵を描いて
すごいね!上手だね!もっと描いて、描いて!と言われたら?
幸せですね。
自分が選んだものを友人にあげたとき
「素敵、センスがいいね!ありがとう!」と言われたら?
幸せですね。
自分にしかできないことが、ほかの人に認められ、役に立つ。
これを実感できるのは、他の人がいるから。
自分が何をしても、誰も何も言ってくれなくて無表情だったら、「誰かに認められた」、「役に立てた」とは感じられないかもしれません。
「個人」は、対人関係があるからこそ存在価値が感じられる。
だからこそ、悩みも対人関係にあるというのです。
講師の伸英さんによると、
- 地縁(住んでいる地域の人たち)
- 血縁(血縁関係の人たち)
- 社縁(職場の人たち)
のコミュニケーションの質が上がると、人間の幸福度があがり、やる気の好循環が始まるそうです。
このあとも、統計資料や自己診断ツールを使って、コミュニケーションと幸福度の関係を明らかにしていきます。
なるほど!
それじゃあコミュニケーションの質を向上しなくては!!
と意欲が高まります。
そしていよいよ体感編に突入です!
ワークショップ体感編
ワークショップ体感編では、劇団わらび座の役者さんである「富さん」こと加藤富子さんが講師を務めてくださいます。
タオルパス
まず、参加者はそれぞれタオルを丸めて作ったボールを手に、輪になります。
それぞれが持っているボールを放り投げ、隣の人が床に落とさないようにキャッチ。
これを一周するのです。
スタート!
すぐ落とす。あーあ。最初からやり直し。
繰り返すうちに、みんなで声を出していこうということになります。
せーの。はいっ。はいっ。
だんだんリズミカルに。
でもあと一歩のところで誰かが落とす。
また最初からやり直し。
これを何度も繰り返し、やっと一周終わった時にはほっとした声と歓声が。
自分が上手に投げたり、上手に受け取ったりするだけじゃなく、相手が上手に受け取れるように、相手が上手に投げられるように、自分の動きが変わっていきます。
相手の動きを変えるために、自分の動きを変えるんですね!
なんだか目の前で皆さんが一つになっていく姿を見ているような感じを受けました。
それにしても、あともう一歩のところで失敗しても、また最初からって大変ですよね。
「もういいじゃないですか!」と思ってしまいます。
富さんに言わせると、これは「待つ力」を醸成するためのゲームでもあるそうです。
社員の皆さんはそれぞれ個人差があります。
いつも同じ人のところで失敗することだってあります。
それをチームで修正し、みんなでゴールにたどり着くことに意義があるのだそうです。
たった一つのタオルパスでも、”気づき”が満載です。
そのあとも、汗だくになりながらのワークが続きます。
そんな皆さんの第1回目の感想は、
- 考えたこともなかった
- 初めての体験
- 次が楽しみ
などなど
清々しい笑顔が印象的でした。
第1回目は、
「相手」あってこその「自分」
というのを再認識する取り組みだったと思います。
次は「ストレスと向き合う」ですね。
どんな内容かなー
楽しみです。