リニモとは ~リニア新幹線とは全くベツモノ?~
先日、名古屋で初めて「リニモ」に乗りました。
「リニモ」と聞いた時に、「リニアモーターカーって、もう走っているの?!」と思ったのは私だけではないと思います。
リニアモーターカーと言えば、山梨で試行運転をしているあのリニア新幹線ですよね?
でも、同じ「リニア」とはいっても、いろいろ違うようです。
リニアモーターで動く電車
リニアモーターで動く公共交通機関は、北は仙台から南は福岡までこんなにあります。
- 仙台市地下鉄東西線(仙台市)
- 東京都交通局大江戸線(東京都)
- 大阪メトロ長堀鶴見緑地線(大阪市)
- 大阪メトロ今里筋線(大阪市)
- 横浜市営地下鉄グリーンライン(横浜市)
- 福岡市地下鉄七隈線(福岡市)
- 名古屋市営地下鉄上飯田線(名古屋市)
- 愛知高速交通東部丘陵線(リニモ)(愛知県)
- ゆとりーとライン(名古屋ガイドウェイバス)(愛知県)
モーターというと、円筒形のものが回転するイメージが強いですが、「リニアモーター」は、「回転する力」ではなく「直進する力」を使います。
つまり、この直進する動力を生む「リニアモーター」で動いている「カー」であれば、「リニアモーターカー」と言っても過言ではないんですね。
大江戸線もリニアモーターカーだったのか!!
でも、リニアモーターカーって、地面から浮いているイメージですよね?
磁気浮上式リニアモーターカー
リニアモーターを使って前に進んでいるこの9個の「カー」のうち、浮いているのは「リニモ」だけです。
他の「カー」は、リニアモーターを使うことで、車体を小さくできたり、急な勾配を登れる力を得てはいるものの、浮いてはいないらしいのです。
リニア新幹線とは違うの?
- リニアモーターを使って走っている
- 磁石の力で浮上している
と言うと、思い浮かべるのは、あの山梨で試行運転をしている「リニア新幹線」ですよね。
どっちもリニアモーターを使って走っているし、浮いているのですが、走り方も浮き方も違うようです。
リニモの浮き方
リニア新幹線は、磁石の同じ極同士の反発力で浮いています。
これは、「反発型磁気浮上」です。
どれぐらい浮いているのかというと、約10センチ!
かなり浮いています。
これに引き換え、リニモは「くっつく力」で浮いています。
「吸引型磁気浮上」です。
レールの下に回した磁石をレールにくっつけて、車体を浮かせています。
こんな感じ。
どれぐらい浮いているのかというと、たった8mm。
よほど近くに行かないとわかりませんね。
それでも、浮いていることに変わりはないので、摩擦がなくて動きがスムーズだし、音がとても静かです。
例えば、山手線は、平均時速40~50㎞の速さで走ってますが、リニモは100㎞で走っています。
そして、騒音レベルは山手線が、70~80デシベル(車や掃除機の音)ですが、リニモは60デシベル(人の会話)ぐらいです。
リニモの進み方
リニア新幹線って、時速500㎞と聞いたけど、リニモは違うの?
と思いますよね?
リニア新幹線は、リニア同期モーター(LSM)を使っています。
車両の下に磁石がついていて、超高速「動く歩道」のようなレールの上を、ぴったり同じ速さで車両が浮きながら走っている感じ。
何の抵抗力もない。
一方リニモは、リニア誘導モーター(LIM)を使っています。
リニモにも、超高速「動く歩道」のようなレールがあるのですが、車両の下にはアルミ板が張られています。
- リニア新幹線は、車両にもレールにも磁石がついている
- リニモは、レールには磁石がついているけど、車両にはアルミが張られている。
でも、アルミは磁石にくっつかないですよね??
アラゴの円盤
円形のアルミの上で磁石を回転させると、あら不思議!
アルミ板が回転します。
難しいことはさて置き、これはアラゴという人が発見した「アラゴの円盤」と言われる現象です。
これを利用して、車両に磁石が無くても、安くて軽いアルミ板を貼っておけば、レールの磁石が誘導してくれて車両が動くというわけです。
まとめ
- リニアモーターで動く公共交通機関は、現在日本に9つある。
- でも、浮上しているのは「リニモ」だけ。
- 試運転中のリニア新幹線も、リニアモーターで動いて浮いている。
- でも浮上の仕方も、進み方も別の方法。
となります。
リニア新幹線の音
リニア新幹線も、レールと車両の間が浮いているんだから、ガタン・ゴトンという音はなくて静かなのかな?
と思いきや、スピードがあるから風の音がすごくて、山手線よりも大きな90デシベルぐらいの騒音らしいです。
大型トラックの隣にいるような感じ。
新幹線の中でおしゃべりできませんね。
それにしても、人は5キロを1時間ぐらいでしか歩けません。
それが、乗り物を作って短時間でどんどん遠くまで行けるようになりました。
移動すると、いろんな出会いや発見がありますよね。
人間はそんな機会を作り続けてきたんだなーと思いました。