先週、製造業の支援のための研修をさせていただきました。


その時参加者の方からの質問で、改めて「ムダな時間」について考えさせられました。



製造業では、IE(インダストリアル・エンジニアリング)という業務効率化の方法があります。


IE(Industrial Engineering)とは


IEは、工場などで効率化や品質向上を実現する手法です。


IEでは、工場で作業するときの行動は、

1.価値作業

2.付随作業

3.ムダ

の3つと考えます。


1.価値作業


加工しているときが、付加価値を生み出しているとき。

利益に直結する行動なので、なるべく増やします。



2.付随作業


部品を作ったりする前に、箱から材料を出したりする時間も必要です。

価値は生み出していないんですが、必要な時間。

これは減らす必要があります。


3.無駄な時間 


待っている、探している、調べている、どうしようか考えるなどの時間。

これは全く必要のない時間なので、排除する必要があります。



「価値を生み出している作業は、価値作業だけですから、ほかの動きは減らすべきと考えます。」

というような話をしていたら、


「考える時間だって大切だ。そんなロボットみたいな作業は嫌だ」

という声があったのです。


なるほど。


そんな時間がなければ、新しいアイデアも生まれないし、現場も良くなりませんね。


私の仕事も、全くその通り。


経営者の方とお話しする時間の何倍もの時間を、資料を集める(探す)、課題を考える、対策を考えるなど「探す、考える」に使っています。


この時間を、「無駄だから減らしなさい」と言われたら仕事ができません。


IEがいう無駄な時間とは?


じゃあ、どうするの?って話ですよね。


IEが言う「無駄な時間」は

  • ・工具や材料を探している時間
  • ・どの手順でやるか迷っている時間
  • ・一度聞いたけど忘れたのでまた聞いている時間
  • ・調べている時間

みたいなやつです。


こうした時間は、残念ながら価値を生みません。


多くの現場では、こうした時間が積み重なって、作業者の一日のかなりの部分を占めてしまっていることがあります。


IEは、こうした「付加価値を生まない時間」を減らすことで、本当に価値を生む作業の時間を増やそうという考え方です。


もう一つの無駄な時間(?)とは


実はIEが最終的に目指しているのは、考える時間(余裕時間)を生み出すこと。


これは、スラッグ(slack)とも言われます。


スラッグは「緩い」「たるんだ」という意味ですが、「怠ける」、「サボる」、「ダラダラする」という意味でも使われます。


ものを探すのはダメなのに、だらだらするのはいいの?

と思いますよね。


いいんです。

  • 改善を考える時間
  • 新しいやり方を試してみる時間


こうしたものは、仕事がギリギリに詰まっている状態では生まれません。


いつも時間に追われている現場では、

「とりあえず今を回すこと」で精一杯になってしまいます。


だからこそ、IEでは価値を生み出さない時間を減らして、余裕を生み出そうというわけなのです。


探したり、迷ったり、相談したりする時間ではなく、だらだらする時間。



こういう時間が、インスピレーションを働かせてくれます。