ミクロネシアで発見!


ずっと前のことですが、私がミクロネシア連邦にいた頃、とても面白い発見がありました。


ミクロネシアでは、首都から遠く離れた小さな島で、真珠の養殖をやっていました。


南洋真珠と言われる黒い真珠です。



黒蝶貝という二枚貝をロープで数珠つなぎに繋ぎ、海に渡したロープに洗濯物のように提げられます。


海に潜ると、まるで黒蝶貝のカーテンです。


ある時、そこでフグがその真珠貝をつるしたロープを噛み切って、大量の貝が海の中に落ちてしまうという事態が発生しました!


砂に埋まってしまうと、貝は呼吸ができなくなり、真珠を作らずに死んでしまうということです。


広い海の砂の中から貝を救出するのには、ダイビングで長時間潜る必要があります。


島の人達にはできません。


そこで、ダイビング大好きな私も、黒蝶貝の救出に行くことに。


仲間と一緒に乗り合いのスピードボートに乗りました。



波しぶきでずぶ濡れになりながら何時間もかけて島に到着。


宿泊するところを提供してもらい、



水浴びをして



歓迎の宴の会場に行くと、島の首長が真ん中に座り、私たちは島民の方たちと一緒にそれを囲むように車座に座ります。


沢山のごちそうが用意されていますが、そこに首長に向かって何かお皿に入れたものを捧げ持った女性が近づいていきます。


何だろう?

特別な珍味?

私もあれが食べたい!


そう思っていると私にも同じものが運ばれてきました!


やった!わ~い!

と思ったら、運ばれてきたのはなんと「味キムチ」だったのです!



このお話を、先日いぶりがっこを作っている皆さんの前でさせていただきました。


言いたかったのは

場所や利用する人によって価値は変わる

ということでした。


私にとっては、島の人たちが毎日のように食べているロブスターやシャコガイのほうが、ずっと価値が高いです。


でも、島の人たちにとっては、味キムチの方が価値が高い。



味キムチは、ミクロネシアの首都に一つだけある日本食材のお店では売っていました。


日本製で、自分たちには絶対に作れない。


とても貴重な外国製のおいしいものです。


それに比べたらロブスターは、海に行けばタダで手に入ります。


島でロブスターを売っても、誰も買わない。


でも、味キムチなら、大人気でしょう。


実はタイでも


実は若いころタイにいた当時も同じような経験をしています。


喫茶店で、インスタントコーヒーの方がレギュラーコーヒーより高い。



お寿司屋さんで、カニかまぼこの方が本物のカニより高い。



これも、味キムチとロブスターの関係ですよね。


価格はカスタマーバリューで決める


価格はカスタマーバリュー(顧客価値)で決めるのがいいと言われますが、そのカスタマーバリュー、カスタマーを知らないと決められません。

カスタマーバリューについてのブログはこちら


買ってくれるのは、どこの誰か。


その商品に希少価値を感じている人なのかどうか。


世界は広いし、人はみなそれぞれの価値観を持っています。


商品やサービスは、希少価値を感じてくれる人に売ればいいのです。


わたしの希少価値(おまけ)


ちなみにこのミクロネシアの島で、真珠貝を救出して帰る日

「お疲れさまでした。お礼にどれでも好きなの持って行っていいよ」

と言われて選んだ真珠は、帰国してからネックレスにしました。



あの時の思い出がよみがえり、私にとって世界に一つの希少価値です!