近頃、経営の現場で「承認欲求」という言葉を耳にすることが多くなっています。


たいていの場合それは、「従業員の承認欲求をどう満たすか」という文脈で語られます。


  • 「従業員に楽しくやりがいをもって働いて欲しい。」
  • 「それには、承認欲求を満たさなければ。」

みたいな感じです。


「誰かに認められている」と思うと、人はモチベーションが向上し、自己成長意欲が高まり、仕事や学習で成果を出しやすくなると言われます。


承認欲求を満たされることで、自己肯定感や自信が高まり、そうなることで良好な人間関係を築きやすくもなります。

 

こんな従業員でいっぱいなら、会社の中は楽しそうです。



経営者の承認欲求


では、経営者自身の承認欲求はどうでしょう?


従業員と同じで、経営者だって人間。


承認欲求を満たされる必要があります。


判断する立場にあり、責任を負う立場である経営者こそ、一番承認してあげるべき存在かもしれません。


でも、「社長の承認欲求を満たしてあげたい」

と言う従業員の話を聴いたことがありません。


じゃあ、経営者はどうしたらいいんでしょう?


承認欲求には二つある。


承認欲求というと、他人から褒められたい、評価されたいという意味で使われがちです。


実はそれは「他者承認欲求」と呼ばれるものです。


承認欲求には2つあり、もう一つは、「自己承認欲求」です。


「自分を認めてあげたい。」と言う欲求が満たされると、自分で自分の価値を認め、「これでいいんだ」と満足感が得られます。


人の目を気にしなくても済みます。


経営者が持つべき承認欲求は、こっちかもしれません。


自己承認欲求の満たし方


じゃあ、どうすればそう思えるのか?


と考えた時、「マズローの欲求5段階説」がヒントになります。


マズローは、1970年に62歳で亡くなっていますが、今でも書店にはマズローの説をもとにした書籍がたくさん並んでいます。


一番有名な説が、「欲求5段階説」で、「人間の欲求は段階を踏んでより高尚なものになっていく」というものです。



マズローが言うには、下から順に満たされていかないといけない。


それが本当かどうかはわかりませんが、下の段階の欲求が十分満たされて次の欲求が生まれるのは、理想的かもしれません。


そして、4つ目の承認欲求までは、欠乏欲求と言われます。

「満足するまで求め続ける欲求」です。


つまり、おなかが減ると、おなかが満たされるまで「何か食べたい」と思うのと同じで、承認されないと「認められたい」という想いは消えないのです。


承認欲求の下にあるのは、「所属と愛の欲求」です。


  • 他者とかかわりたい、
  • 集団に属したい、

という欲求です。


人とつながりたい、集団に属したいという感覚が満たされることで、「認められたい」という欲求が生まれてくるというわけです。


そうすると、いい人と関わったり、いい集団に属すことは、承認欲求を生み出します。


そしてその承認欲求を満たす土台にもなります。


自分で自分の良さを知ることはなかなか難しいです。


いい相談相手から沢山ヒントをもらって自信が付いたり、相手を認めることで自分を褒めることができたりします。


2020年に診断士の養成課程で、ある先生がこう言いました。


「我々の仕事は、経営者の想いを叶えることだ」


私はそれを胸に、診断士6年目を迎えているわけですが、経営者が自己承認欲求を満たせる状態にすることも、仕事の一つだなあと思う今日この頃です。