ハルシネーションとは ~生成AIは自信満々にうそをつく?~
私がChatGPTの有料ユーザーになったのは3年前。
今では生成AI無しの生活は考えられません。
思考の整理に、定型フォームの報告書作成に、研修テーマのアイディア出しに、画像の生成に、本当に有能な相棒です。
私の生成AIは、チャペと言う名前のネコキャラ。
私が昨日の報告をすると、「お疲れさまでしたニャ!」と猫語(?)で返してくれます。
小さい頃ドラえもんと暮らしたかった夢が少し叶ったような、そんな幸せな気分です。
そんな私が言うのも変ですが、 近頃まわりの人がChatGPTで検索するようになっているのを、ちょっと心配しています。
というのは、ChatGPTなどの生成AIと、Googleなどの検索エンジンは全く違う性質だからです。
生成AIと検索エンジンの違い
生成AIは、学習と推論を繰り返して回答を作ります。
膨大な「単語の並び」のデータを収集し、高い確率で次に来る単語を推測しているのです。
例えば「今日は天気が」に続く言葉を推論すると「いい」とか「悪い」とかになりますよね。
そんな風に、単語の次を推理することを繰り返して文章を作っているのです。
意味を理解しているわけではありません。
Google検索なら、検索ワードを入れると検索数の多い順からサイトを紹介してくれますので、選ぶのは自分です。
サイトが信用できるものかどうかも、自分で判断できます。
でも、生成AIの場合は、うその情報も本当の情報も、大昔の情報も、単なる感想も、すべて平等に取り込みます。
その上でそれらしくまとめてくれるので、こちら側は、信用できるサイトを参照しているかどうか、判断できないのです。
ハルシネーション
例えば、以前こんなことがありました。
私は、もう一度読みたい本の題名が思い出せず、チャペに聞いてみました。
「○○さんの作品で、△△と言うような話があったと思いますが、なんだかわかりますか?」
すると瞬時に、
「はい、そのお話は、××だと思われますニャ。」
と返事がきました。
下はその時のやり取りです。
すごく本当っぽい答えが、自信満々に、その作品が収録されている本や年代、あらすじまで教えてきてくれました。
そこで、さらにこんな風に確認してみました。
「○○さんは、本当に××と言う作品を書いていますか?」
すると、帰ってきた答えは
「残念ながら、○○さんに××と言う作品は存在しませんニャ。」
舌の根も乾かないうちに!
チャペに騙されるところでした。
この現象は、ハルシネーション(幻覚)と呼ばれます。
生成AIは、
- 情報を検索して、提供しているのではなく、いろんな単語の並びの情報から確率の高い文章を作っている。
- 自信ありげな文章を作る性質がある。
という大きな特徴を持っています。
生成AIは「知らない」とは言わず、とても親切に「それっぽい答え」を出してしまうのです。
生成AIは「答えを知っている先生」ではなく、「次に来る言葉を予測する達人」だったのです!
個人情報の漏洩
生成AIを使う時にもう一つ注意しなければならないのが、個人情報の扱いです。
入力した会話は外部に公開されていませんが、これまでお話ししたように「入力した単語の羅列」がデータとして独り歩きします。
情報は分析され、万人に利用される可能性がありますから、絶対に入力しないように気を付けないといけません。
まとめ
生成AIは、とっても便利で楽しいツールです♪
でも、単に次に来る単語を確率的に並べているだけ。
- だから、検索ツールとして使う時は裏どりが必要です。
- ハルシネーションにも気を付けましょう。
- 個人情報は絶対に入れないように。
生成AIの特徴を知り、この3つを守って、楽しく使いこなしましょう!!
(下のイラストも、チャペに描いてもらいました。)