先週末は仙台出張でした。


新幹線を待つ間、駅のカフェで飲んだフローズンドリンクが800円!!


高っつ!


モノの値段、一気に上がりましたよねー。


会社でも、

物流コスト、人件費、原材料費、水道光熱費、いろんなものが上がってます。


商品・サービスの値上げをするかしないか、経営者の悩みドコロです。


みずほのレポート


みずほリサーチ&テクノロジーズから、こんなレポートが出ています。


中小企業の業績を左右する「価格転嫁」

~価格転嫁率が 50%Pt 異なると倒産件数に約 3,000 件の差~

https://www.mizuho-rt.co.jp/publication/2024/pdf/express-jp240718.pdf


倒産するかしないかは、「手元に残る現金があるかないか」で決まります。


日本の企業の価格転嫁率の平均は、約50%。


つまり、100円値上げしないといけないのに、50円しか値上げできてない。


レポートによると、価格転嫁率50%だと売上高に対する経常利益の割合は1.3%も減るらしいです。


中小企業のこの「対売上高経常利益率」の平均は3.5%。


売上高の3.5%が利益として残り、そこから税金を引いて、返済にもあてなければなりません。


それが1.3%も減ってしまったら・・・


運送費、お給料、材料費、ガソリン代、電気料、いろいろ上がってるのに、その変化に対応する決断を先送りにしてしまえば、倒産のリスクは飛躍的に高まります。



価格転嫁検討ツールとは


よしっ、値上げしようかな?

と考えた時に役に立つのが、中小機構から提供されている「価格転嫁検討ツール」です。


用意するものは、物価高騰前と、直近の損益計算書。


商品の値段を検討するツールなので、特定の商品の売上高や売上個数も把握しておいてください。


または、特定の取引先の売上高やロット数でも大丈夫です。


あとは、その損益計算書の数字をツールに入れていくだけです。



そうすると、物価高騰前と今のコストの差から、

「これぐらいの価格にすることを考えたほうがいいですよ」

という参考価格を算出してくれます。



このお肉屋さんの例では、

現在688円で売られている豚のブロック肉の価格は、水道光熱費の高騰の影響を考慮すると、980円にすべきだという結果になっています。


「価格転嫁検討ツール」を使うと、

実際の決算書の数値から、どれぐらい価格転嫁が必要なのかを割り出すことができるため、経営者の決断のヒントになります。


値上げ≠客離れ


私が相談を受けた経営者の方たちは、「値上げしましょう!」と言っても「お得意さんが離れていくのが怖い」という方がほとんど。



でも、この物価高騰の中、値上げをしない選択は、

  • 製品・サービスの質を落とす
  • 会社の借り入れを増やす

などの方向に進むリスクを高めてしまいます。


自分の商品・サービスも、会社も従業員も、お客様も守ることができません。


実際、このお肉屋さんも値上げをしたのですが、お客さんが離れていくことは無く、むしろ新しいお客様が来てくれるようになったとか。


「値上げして良かった」とおっしゃっていました。


工夫したのは、お客様への説明です。


今まで当たり前だと思って口にしていなかったことを紙に書いて貼っておくようにしました。

  • 「一頭買いで2日で売り切れるため、冷凍肉はありません。」
  • 「原材料費などの高騰の中、おいしいお肉を届け続けるため、値上げさせていただきました。」


価格転嫁は、誠実に商売を続けるための選択。


自分もお客様もWin-Winであることを伝えましょう。