信用組合と信用金庫とは ~二宮金次郎が元祖?地域の金融機関~
突然ですが、金融機関って、いろいろあるんですねー。
○○銀行だけじゃなく、○○信用金庫、○○信用組合というのもあります。
チコちゃんじゃないけど
「なんで?」と問いかけたくなります。
そこで調べてみると、歴史は二宮金次郎にたどり着きました!
日本の協同組合と金融の歴史
農民だった金次郎は、31歳の時、勤勉さを買われて小田原藩家老の服部家に奉公することになりました。
当時、小田原藩の武士は困窮していました。
金次郎はその武士たちの生活を救うために、武士仲間同士でお金を融通し合うしくみを導入します。
①無利息
②小額(1両~3両)
③短期(百日を限度)
④仲間の連帯保証つき
という融資を100人ずつ一組で、行うしくみです。
五常講とは
金次郎が大切にしていた儒教の精神に、「仁・義・礼・智・信」という「五常」があります。
この融資制度は、この「五常」をもとにしているので、「五常講」と名付けられます。
- 仁=思いやり・・・困った人にお金を貸すこと
- 義=道理・・・・・借りた金は約束通りにきちんと返す
- 礼=感謝・・・・・返すにあたって利息をつけること
- 智=能力・・・・・借りた金の運用すること
- 信=信頼・・・・・相互に約束を守りあうこと
困った時はお互いさま。
仲間に迷惑をかけないようにきちんと貸し借りをして生活を安定させる。
仲間の信頼をベースにした融資制度だったんですね。
無利息と言いながら、感謝のしるしに一回の返済分をおまけして最後に渡していたようです。
今の利息からしたら、チップみたいなものですね。
っていうか、このしくみ、マイクロクレジットじゃないですかっ?
ユヌスさんがノーベル平和賞をもらう186年も前に、金次郎がこの仕組みを作っていたとは!!
初めての信用組合
金次郎の弟子として彼の思想を学んだ岡田良一郎が設立したのが、掛川信用組合。
1892年、日本で初めての信用組合の誕生です。
信用金庫の設立
「信用組合」は、仲間の会員だけに閉ざされた貸し借り。
もっと地域に開かれた金融機関を作って欲しいと願う中小企業などの人の要望からできたのが、「信用金庫」です。
1951年に設立されました。
大企業お断り?
信用組合も信用金庫も、会員(組合員)の資格が決められています。
- 信用組合は、資本金3億円を超す企業は対象外。
- 信用金庫も、資本金9億円を超す企業は対象外です。
そんなことあるの??
大口のお客さんがいたほうが良くないですか?
でも、違うらしいです。
もともと金次郎が作った時のように
「同じような立場の人たちが、対等な立場で助け合う」
という協同組織の原則に基づた組織ですから。
お金儲けをしたいわけじゃなくて、地域を繫栄させるのが目的。
中小企業が主役じゃないといけないんですね。
まとめ
- 株式会社として、利益を追求する「銀行」
- 仲間たちの力でお互い助け合う「信用組合」
- 地域に住む人たちを応援する「信用金庫」
もっといろいろあるでしょうが、今まで知らなかったこの違い。
知ってみると、ぐっと身近な存在になりました♪
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