グループシンク(Groupthink)とは ~仲良し組織の落とし穴?~
先日、組織のライフサイクルモデルについてちらっと話す機会がありました。
ライフサイクルモデルの詳細については、過去に書いたこちらのブログをご参照ください。
https://heartbizakita.blogspot.com/2023/03/kigyonoraifusaikurutowa.html
ちらっと話したライフサイクルモデルの話
組織が小さい時は、「共同体段階」で同じような気持ちを持った仲間だけで会社が運営されています。
小さな仲良しグループです。
暗黙の了解や「空気」で動けます。
でも組織は大きくなると、そうはいきません。
- 物分かりがいい人もいれば、悪い人もいる。
- 技術を持ってやってくれていた人が急に辞めることもある。
- 何も知らない人が入ってくる時もある。
それでも、同じ質のサービスを届けていかなければいけません。
だから
- 誰がやっても一定の成果が出るように会社のしくみを整えていく必要がありますよ。
と言うような内容でした。
共同体段階のまま大きくなったら?
でも、その話をしながら、自分の中で
- 共同体段階のままで組織を大きくできたらどうだろう?
- 「全員が社長と同じ想いを持っている」って、なんか理想的?
- 「言わなくてもわかる」「空気を読む」組織だったらルールもいらない?
これって良くない?と考えました。
でも、ちょっと待てよ?
それって、まるで
危険なカルト宗教団体のようじゃないですかっ!
あの種の団体は、世界中に広がる巨大な組織であっても、価値観は統一されていてみんなが同じ方向を見てますよね。
グループシンクとは
こんなふうに集団での意思統一が強すぎて、批判的なことが考えられない状態を、「グループシンク」と言います。
グループシンクに陥ると
- 組織の全員が偏った思考を持っていても、おかしいとも思わない。
- 結束することが何より大事。
- 間違っていても止められない
- 失敗の兆候が見えなくなる
- 外部の変化に適応できなくなる
- 世の中がどんなに変わろうと、自分たちの組織の方向性を信じて疑わない。
ということになります。
怖い~!
多様性が会社を救う?
そう考えた時に、組織にとって価値観の多様性って本当に大事だなあと再認識しました。
いろんな意見が出ることこそが、組織の健全さを保つカギ。
異なる意見は面倒くさいけど、実はそれが「安全装置」なんですね。
組織が大きくなるほど、「仲良し」よりも「多様性」が必要になります。
あえて言いにくいことを言える仕組み、異なる視点を歓迎する文化、そうしたものが、組織を強くするんですね。
グループシンクに陥らないために、“違和感”に耳を傾ける勇気を持ちたいですね。