2025年の崖とは ~昔のIT化が、今はお荷物?~
みなさん、こんにちは!
今日は2025年2度目の日曜日。
2025年と言えば、IT業界では、「2025年の崖」という言葉があります。
「壁」でも「谷」でもなく「崖」!!
私も県内の中小企業を訪問し、この「崖」を感じることがあります。
そもそも、「2025年の崖」って何?
2025年の崖とは
経済産業省は、2018年に
DX レポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~
というレポートを出しました。
この中で予言(?)しているのが、
「2025年には、老朽化したITシステムや人材不足が原因で、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進まず、競争力を失うリスクが高まる」
という話です。
なぜ「2025」なのか?
それには理由があります。
当時、大企業ではIT化がすすめられ、いろんな部署の情報が連動して一元化できるような「統合基幹業務システム(ERP)」というのが、導入されていました。
販売管理や在庫管理、生産管理、購買管理、人事管理の情報が共有されて、一目で状況がわかります。
まさに経営の可視化!
便利!
あっちもこっちも繋げよう!
ということで、この統合基幹業務システム(ERP)は、どんどん肥大化していきました。
このシステムを提供していた世界一の会社がドイツのSAP社でした。
このSAP社が、
「ERP6.0以前のバージョンのサポートを2025年に終了します。」
と発表したのです。
会社の業務をすべて担っているシステムが止まったら、会社の動きが止まりますから、大変です。
今使っているシステムも、2025年にはサポートできないぐらい過去の産物になる⁉
というわけで、「崖」は2025年ということになりました。
その後、SAP社のサポート終了は2027年まで延長されることになり、まだ延命していますが、時間の問題です。
新築の時から、世代が変わるごとに建て増しして、誰が何をやったかもわからず、安全性も保障できないけど、住み続けなきゃいけないし・・・という家みたいなことになっているわけです。
県内中小企業の「2025年の崖」問題
でも、大きな統合システムを使っていなくても、崖はあります。
実際
- 昔、業者に入れてもらった独自のシステムが、今の現状に合わなくなっている。
- でも、その業者が今は存在しないので、保守や改修ができない。
と言う会社もあります。
会計システムだけ見ても、インボイス制度や電子帳簿保存法などの法令改正が起こりますよね。
すると、便利だったシステムもいきなりお荷物に。
- ホームページを業者に作ってもらったけど、自分たちで更新できないのでいちいち業者に頼んで費用がかかっているし、誰も見ていない。
というのもありがちです。
これは、
- ホームページを作れば売上が上がるだろうという思い込んでしまった。
- 自社でホームページを更新できる人がいない。
などの問題があります。
ITは使いこなせないとコスパが悪く、結果としてDXが進まないという結果になります。
そうなると、競争力向上や業務効率化の資産であるはずのIT化が、逆に「負債」に。
つまり
- 老朽化したシステムの維持困難
- IT人材・知識不足
で、ますますDXから遠のいているのが、県内の中小企業で起こっている「2025年の崖」だと感じます。
取るべき対策は?
ITソフトはどんどん普及して、みんなが使いやすいものに変化しています。
先が見えない今、完璧だと思われるシステムを構築しても、すぐに時代遅れになってしまいます。
まずは、今の業務の流れを可視化して、何を効率化するのか、優先順位を決めます。
そのうえで利用するソフトは、次のようなことを踏まえたほうが楽です。
クラウドサービスを使う
インターネットを通じて使えるサービスを利用すれば、法令が変わった時も自動で切り替わってくれます。
簡単に使えるツールを活用する
パソコンやネットの専門知識がなくても使えるツールを使うことで、自分たちでホームページを作ったり直したり、会社で使う便利な仕組みを作れるようになります。
ITの専門家に相談する
地元のITの専門家や支援機関と相談して、一番良いシステムを選んだり、うまく切り替える方法を一緒に考えると安心です。
ITのセミナーや勉強会に参加すると、いろいろなネットワークができて心強い存在に出会えるかも。
こちらのサイトもお勧めです。
ぜひ、2025年の崖を飛び越えましょう。