私は、月に一回、近所の方に集まってもらっておしゃべりしています。


これには、包括支援センターのオレンジカフェ(認知症カフェ)のプログラムを使わせてもらっています。


だから、集まる皆さんは、全員「認知症サポーター」講習を受けています。



そして、先週は若年性認知症と診断された丹野智文さんの実話に基づく「オレンジランプ」という映画を観にいきました。



丹野さんは、仙台のトヨタネッツでトップセールスマンでした。


でも39才で認知症が発症。


映画ができた2022年、丹野さんは発症から9年が経っていました。


会社や家族の協力で、丹野さんは今でも仕事を続けているそうです。


映画の中で、主人公は営業マンなのに、お客様の顔を忘れてしまったり、約束を忘れてしまったりします。


最初は会社に迷惑を掛けたくなくて、大好きな仕事をやめようかと悩みます。


でも忘れても大丈夫なように、ノートにお客様の情報を細かく書き込んだり、スマホにいろんなアラームを設定したりして工夫しました。




会社の同僚も全員認知症サポーター講習を受けて、主人公をサポートしていました。


現在は人事の部署で、認知症の啓もう活動などを行っているようです。


素晴らしいですね!


丹野さんは、忘れないようにしようと思っても病気なので忘れてしまう。


これは仕方のないことなので、忘れてもいいようにいろんな工夫をして働き続けます。


フールプルーフとは


このように、間違えることを前提に設計することを「フールプルーフ」と呼びます。


もともと、この言葉はIT業界で使われていました。


水に濡れても大丈夫なやつは、ウォータープルーフ。



わからなくても大丈夫なやつは、フールプルーフです。


私が感動したフールプルーフは、おはよう納豆のヤマダフーズのトイレです。



用を足した後に手を洗わなければ、トイレのドアが開きません。


手を洗うのを忘れたらトイレに閉じ込められるので、必ず100%手を洗います。


電子レンジや洗濯機の扉もフールプルーフです。


間違って開けたら動作が止まるので、怪我をしなくても済みます。



  • 名前が似ている薬はボトルの色を変える。
  • 目的地にたどり着くために、通路に色別のテープを貼る。
  • 名前を呼んで確認する。

など、病院でもよく使われています。


「注意しろ!」「間違えるな!」「忘れるな!」

と言っても、人間は不注意だし、間違えるし、忘れます。


だから、そう言わなくてもいいようなしくみを作ればいいんですね。