アナロジー思考 ~ヒントはいたるところに転がっている?~
同じ話を聴いても、聴いた人の反応はひとそれぞれ。
どうせなら、聴いたことからヒントを得て、自分の生活に活かしたいですよね。
「一を聞いて十を知る」的な。。。。
AさんとBさんの場合
AさんとBさんがいます。
2人とも市役所の観光課に勤めています。
観光客が来てくれても、夜には別の場所に移動してしまう。
なるべく長く滞在してもらうにはどうしたらいいか?
それを解決するように上司から言われています。
ある日二人は、お休みの日にショッピングモールに買い物に行きました。
Aさんは、そのショッピングモールで欲しいものを買って満足。
どこでご飯食べようかなと考えながら歩いています。
一方、Bさんは欲しいものを買っている時も、他のお客さんの様子が目に入ります。
すると、モールのにいる買い物客は、買い物をした後でも、ゆっくりぶらぶらいろいろ立ち寄っていることを発見します。
モールには、フードコートや映画館、遊び場などが設置され、イベントなどが行われています。
そこで、Bさんは考えました。
訪れた人たちに長く滞在してもらいたいと考えているのは、ショッピングモールも観光スポットも同じだな。
訪れるスポットがあっても、長く滞在する理由があるかどうかは別の話だ。
私たちの市は、観光スポットは沢山あって訪れる理由はあるけど、長く滞在する理由が不足しているんじゃないだろうか?
そこでBさんは仕事に戻ってから、1日では体験しきれないアクティビティを用意したり、夜だけ楽しめる特別なイベントを開催することなどの企画を作り始めました。
アナロジー思考とは
ショッピングモールと観光スポットは全く違う場所です。
現にAさんは買い物をしてご飯を食べて帰っただけです。
でもBさんはそこから自分の仕事との共通点を見つけ、課題解決のアイディアを考えました。
Bさんのような考え方は、「アナロジー思考」と呼ばれ、今の社会でとても求められている考え方の一つです。
アナロジー思考とは「類推思考」。
①と②にはこんな共通点がある。
①はこうして成功している。
じゃあ、②にもそのアイディアは使えるかも。
というように
2つ以上の物事の間にある共通点に着目し、考えている課題に応用します。
Bさんは、
「ショッピングモール」と「観光スポット」に
「お客さんに長く滞在してもらいたい場所」
という共通点を見出しました。
そして、自分の仕事の課題解決のために新しいアイディアを生み出そうとしました。
アナロジー思考で、沢山のビジネスが生まれています。
アナロジー思考の具体的事例
Airbnb(エアビーアンドビー)
民泊を世界的な事業にしたAirbnbも、アナロジー思考から生まれたビジネスです。
- イベントの多い時期に宿泊施設が足りない
- 多くの人々が予算に合った宿泊先を見つけるのに苦労している
- 一方で、一般の家には空いている部屋があったり、使っていない家があったりする
そして世の中には
インターネットを使って「もの」や「車」、「スキル」などをシェアするシェアリングエコノミーがある。
だったら「宿泊先」のシェアリングエコノミーはできないだろうか?
と考えたわけです。
アナロジー思考を鍛える方法
アナロジー思考ができる人は
「スパゲティ」は「麺」だ
というように、ものを抽象化して考えています。
一つのものを抽象化できると、
「麺」と言えば、他に「おそば」もあるな。
というように、具体化をすることができます。
そうすると、スパゲティにできることは、おそばにもできるだろう
というようにアイディアを広げることができます。
鍛え方としては、一つの「もの」や「こと」をいろんな方面から抽象化するのがコツです。
例えばお蕎麦。
- 外見はどうか(細くて長い)
- どんなふうにできているのか(自然の素材をこねて切って茹でている)
- 特徴は何か(季節や地域でいろんな食べ方がある)
- どんな価値を提供しているのか(動脈硬化を予防する。手軽、低カロリー)
というように考えると、他との共通点が見つけやすくなります。
「細くて長いものは、よく撒いて切って食べられている。」
「おそばを春巻きにしてみたらどうだろう?」
などとアイディアが膨らみます。
アナロジー思考ができれば、全く別だと思っていた世の中の現象が、自分の課題解決のタネになりますね。