日曜日の夜は「どうする家康」ですね。


歴史のことはよくわからないのですが、信長や秀吉と家康の違いは、

「組織を長く維持したこと」

だと思えます。



この「組織を維持し続ける」ことには、人事の「エンゲージメント」が大きく関わっています。


エンゲージメントとは


人事でいうエンゲージメントは、従業員の会社に対する「愛着」のようなものを言います。


家康の家臣は、君主が怖いからではなく、自分自身の意思で家康のそばにいます。


「忠誠心」ではなく、「愛着心」のようなものを感じます。


これこそが、エンゲージメント。


今、世界中でこの従業員のエンゲージメントが注目されています。


アメリカの「ギャラップ」というコンサルタント会社の調査では、エンゲージメントの高い企業は、低い企業に比べて離職率が43%低いという結果が出ています。


それ以外にも

  • 事故を起こす確率が64%低い
  • 収益性が23%高い
  • 生産性が18%高い

という結果が出ているそうです。



会社に愛着を持って貢献意欲が高い従業員が長く勤めることで、生産性が上がり、事故も減り、収益が高まるんですね。


家康から学ぶエンゲージメント


では、どうやって家康は家臣のエンゲージメントを高めていったのでしょう?


理念の共有


家康の家臣のエンゲージメントが高かった一番の理由は、「理念」を全員で共有していたからだと思えます。


家康は、「戦争のない国を造りたい」という理念持ち続けています。


それを言動や行動で家臣に伝え、家臣の共感を得ています。


家臣は「家康」のために働いているわけではなく、「戦争のない国を造る」ために働いています。



理念に共感することで、家臣には組織に対する愛情が生まれ、自分の目標や役割を全うするために、組織に居続けます。


  • 理念を持つ。
  • それを従業員と共有する。

というのは、従業員のエンゲージメントを高めるうえで一番大切なことに思えます。


承認欲求を満たす


自分を認めてもらいたくない人はいないですよね。


「自分を誰かに認めてもらいたい」という欲求は、「承認欲求」といいます。


家康は、家臣を信頼し、感謝の言葉も忘れません。



こうして家康の家臣は承認欲求が満たされ、エンゲージメントが高まります。


コミュニケーション


「どうする家康」の中では、意見を自由に言い合って物事を決めていくような場面がいくつもあります。


こうしたコミュニケーションも組織の絆を強めていく大切な要因です。


人的資本経営には、エンゲージメント


創業当時の組織はリーダーのカリスマ性が大事です。



リーダーの「先を読む力」や「行動力」で組織は成長します。


ここまでは、信長や秀吉みたいな社長が優れているかもしれません。


でも、組織が大きくなると、それだけでは持ちません。


組織を構成している人たちのパワーを最大限に生かす「人的資本経営」が重要になってきます。


組織内の「人」を経営資源として最大限に生かすためには、「人」が愛着心をもって働く

「エンゲージメント」が大事です。


このエンゲージメントのために一番必要なのが「理念」です。


理念がしっかりしていれば、君主が変わっても組織は存在し続けることができます。


こうして家康が築いた時代は、260年もの長期にわたり、「戦争のない世の中」を維持し続けました。