ラチェット効果とは ~生活水準は逆戻りできない?~
物価高で実質賃金が減り続けて17か月。
消費も減少しているというニュースが流れています。
テレビに映っていたのは、子供たちが通っている習い事などの教室。
お母さんが、「週に2回通わせていたけれど、1回にしないと。」と話しています。
とてもつらそう。
それは、ラチェット効果が働いているから?
ラチェット効果とは
タイヤ交換の時などに使うラチェットレンチって、ありますよね。
逆に回しても、カチッカチッと一方向にナットが締まるやつ。
こんな風に、一方向にしか回らないシステムが使われています。
経済も同じように、一方向に進むようになっていて逆戻りはなかなか難しいことがあり「ラチェット効果」と呼ばれています。
子供が習い事がしたいと言っている時、その時の収入に合わせて習い事の回数などを決めます。
でも、実質賃金が下がった時、それに合わせて習い事の数を減らすのはとても難しいようです。
毎年お正月はグアムに行っていた家族が、実質賃金が下がったからと言ってその恒例行事をやめるのは、多分とても悲しい気分です。
収入が増えている時は生活水準が高くなります。
でも、収入が減ってきても、しばらくは収入が増えている時の生活水準を下げることができないとか。
派手な生活をしていた人は、収入が激減しても、派手な生活を維持するために借金地獄に陥ったりします。
そのことを、経済用語で「ラチェット効果」と呼びます。
テレビでも、タレントさんが
「こんなおいしい卵を食べたら、1パック200円の卵には戻れませんよ」
などと言っています。
ラチェット効果があるから、世の中はどんどんおいしいものや便利なもの、いいものが出てくるのかもしれません。
「どうせ、後戻りしないでしょ」
とわかっていたから?
逆ラチェット効果?
ところが、実は今これとは逆の現象が起こっているらしいのです。
収入が下がって生活水準を下げた人たちが、収入が上がっても生活水準を上げない現象。
「逆ラチェット効果」です。
「また収入が下がった時に生活水準を下げるのが難しいからこのままでいいや」
っていうこと?
それとも、「生活の質」の考え方が変わってきたから?
モノはいらない。
贅沢に興味がない
みたいな人は増えていますよね。
これからの消費者は「生活の質」をどこに求めるのか、
経営者は考える必要があるようです。