インボイス制度の改正とは ~インボイスってやらなきゃダメ?~
令和5年10月から始まるインボイス制度。
以前は
令和5年の4月までに登録しなければ、10月の制度開始のインボイス制度に対応できませんよ。
と言われていました。
これが、今年の4月の改正では、
9月30日までに登録申請書を提出すれば次の日の10月1日にはインボイス登録業者になれます。
となっています。
さらに!
令和5年9月30日までに登録申請できなかった人も、登録申請した日から15日でインボイス発行事業者になることができます。
となりました。
詳しくはこちら→国税庁インボイス制度特設サイト
つまり、「いつ申請しても、いいですよ。」ということです。
インボイス発行しないといけないの?
そもそも、インボイス発行事業者にならなくてはいけないの?
という基本的な疑問も沸いてきます。
売上が1,000万円を上回り、今も消費税を納めている人は、多分すでに手続きを終えていると思います。
問題は、売上が1,000万円以下で、今も消費税を納めていない人。
この人たちがインボイス発行事業者になるべきか、ならないべきかを悩んでいる。
判断基準は、取引先の対応
この時の判断基準は「取引先の対応」です。
- 「今まで通り取引させていただきます」
- 「これから、インボイス発行事業者にならないと取引できません」
- 「今までの支払いから、消費税分差し引いて支払わせていただきます」
- 「今まで消費税10%払っていましたが、これからは消費税は8%にします。」
など、取引先によってさまざまな対応をしてくることでしょう。
これによって自分がインボイス発行事業者になるかどうかを決めてきます。
「今まで通り取引させていただきます」
「今まで通り取引させていただきます」
と言われた場合は、インボイス発行事業者にならなくても、今まで通り取引させてもらえます。
仮に、100万円の取引をしている場合、
取引先から受け取る金額は100万円+消費税10%で、110万円。
免税事業者だと、それがそのまま手元に入ります。
インボイス発行事業者になれば、この中から消費税を納めなければなりません。
「インボイス発行事業者にならないと取引できません」
と取引先に言われた場合は、インボイス発行事業者にならないと取引先がなくなります。
その事業者との取引を続けたい場合は、インボイス発行事業者になる必要があります。
「消費税分差し引いて支払わせていただきます」
「インボイス発行事業者にならないと、今までの支払いから消費税分差し引いて支払わせていただきます」
と取引先に言われた場合は、インボイス発行事業者にならないと手元に残る金額が少なくなるかもしれません!
課税事業者になったら?
課税事業者になると、自分が消費税を納めなければなりません。
一方、自分が仕入れの時に支払った消費税は「仕入れ消費税」として差し引いて申告できます。
2割特例
4月の制度改正で、令和8年までは、仕入れ消費税を売り上げの時に受け取った税金の8割とみることができるようになりました。
つまり、いくら仕入れたかを計算しなくても、売り上げの時に受け取った消費税の8割を、仕入れ消費税として差し引くことができます。
すると、納めなければならない消費税は、売り上げた時の消費税の2割ということになります。
免税事業者だと?
免税事業者だと、消費税を納めないし、仕入れた時の消費税も控除できません。
今回の場合、免税事業者は取引先から受け取る金額が今までの約9割になってしまうだけです。
例えば、今まで取引先から受け取っていた金額が100万円+消費税10%だとします。
免税事業者のままだと、消費税が支払われないので、100万円の受け取りになります。
インボイス発行事業者だと、今まで通りの110万円を受け取り、消費税分の10万円の8割を仕入れ消費税として差し引くことができるので、支払う消費税は2万円。
残りは108万円です。
これだと、インボイス発行事業者になったほうがデメリットは少ないと言えます。
「これからは消費税は8%にします。」
「今まで消費税10%払っていましたが、これからは消費税は8%にします。」
と言われた場合はどうでしょう?
今まで100万円+10%を受け取っていたとします。
それがこれから免税事業者だと、100万円+8%になります。
つまり108万円。
インボイス発行事業者だと、110万円受け取って、消費税として2万円支払うので、手元に残るのは108万円。
どっちも同じなので、インボイス発行事業者になってもならなくてもどっちでもいい。
ということになります。
今回の改正でiは、他にも少額取引の時の手間が無くなっていますので、ご確認ください。
まだ時間はあるみたいなので、様子を見てもいいかもしれません。