ツバル事情 第3弾 ~魚は採らずに、採らせる経済?!~
前々回、ツバルが星の砂でできているという話を書きました。
地球という一つの星ですが、場所によっていろんなもので土地ができているってことですね。
日本の土は真っ黒。ほぼ「葉っぱ」でできた腐葉土ですよね。豊かだな~と思います。
鳥のフンでできた国
ツバルの北に、ナウル共和国という国がありますが、そこは鳥のフンでできています。
私がツバルにいた当時、バイクにガソリンを入れていたガソリンスタンドのオーナーが、「私、若いころはナウルエアの客室乗務員だったのよ!」と昔の話をしてくれたものです。
彼女がCAだった1980年代当時は、ナウルはナウルエアという自前の航空会社をもっていて、日本にも直行便を飛ばしていたらしいのです。
ものすごい景気が良かったらしいです。
電気も水道も無料で、税金も取ってなかったとか。
そして国営の航空会社で名古屋と東京に定期便を飛ばしていた!
どうやって国を維持していたの?
と思いますよね。
なんと!その鳥のフンでできた土地を切り売りしていたらしいのです。
鳥のフンは、積もり積もってリン鉱石の鉱山になっていました。
リンは燃料電池などの工業から、肥料などの農業まで、幅広く使われます。
鳥のフンはアホウドリのものらしいのですが、すごいお宝ですね。
でもそれも10年ぐらいしか続かなかったらしく、今ではそれも枯渇し、貧乏になってしまいました。
ツバルの資源は?
南の島は、ナウルのように鳥のフンでできた国もありますが、ツバルはそんな資源はありませんでした。
でも、すごく面白いものを資源にしていました。
漁業権
まずは漁業権
ツバルは、陸地は小さいですが、9つの島が点在しているので、広い領海を持っています。
その海はカツオなどの回遊魚がたくさん泳いでいます。
その回遊魚をとって売るのではなく、自分の領海で魚を取る「漁業権」を売って暮らしています。
ドメイン
そして、ドメインも販売しています。
日本の会社のホームページなどでは、https://toyota.jpのように、後ろに「.jp」がついています。
これは、Japanである日本が割り当てられたドメインです。
これがツバルだとTualuで「.tv」になります。
ツバルではこのドメインの使用権を販売しているのです。
ドメイン販売会社との契約金は、当時50億円にも上りました。
これは、ツバルの国家予算に相当する金額です!
世界中のTV放送局などが、このドメインを利用し、収益も数億円ずつ毎年入ってきていました。
こうして特に大きな産業はありませんが、その土地ならではの漁業権と、国の名前ならではのドメイン使用権が、ツバルの大きな資源でした。
ツバル経済のほうが優秀?
ふと、ツバル経済のほうが、日本経済より優秀かもしれないと思う時があります。
ツバルは自国の通貨がありません。
国の中で流通しているのは、オーストラリアドルです。
だから、為替の操作もできないし、国債も発行できません。
それでもやっていけるなんて、すごいな、と思うのです。