コミュニケーション質向上セミナー潜入調査(4/5) ~感情コントロールは、相手の次の行動をコントロールすること?~
前回に続き、9月30日には 「コミュニケーション質向上セミナー」の第4回目が開催されました。
今回、株式会社フルヤモールドの管理職の方たち10名が体験するのは
「感情コントロール」
です。
今回も、まずは(有)サイテックの齋藤伸英さんの理論編から。
理論編
- すぐ感情的になる
- 特定の人をひいきする
- 人を悪く言う
- 仕事を他人に押し付ける
- 自分の意見や経験に固執する
これは、若い世代から見た信頼がおけない上司のランキングだそうです。
感情的な人は部下から信頼されない。
やっぱり自分を冷静に評価してくれる上司がいいですね。
そこで、みんなでEQテストをやってみました。
EQテストとは
「あの人はIQが高い」
なんて言いますが、IQは知能指数。
「Intelligence Quotient(IQ)」の略です。
そこに「感情」という意味の「Emotional」を付け足して
「Emotional Intelligence Quotient」にしたのが「EQ」
「こころの知能指数」と呼ばれています。
心の知能ってどんな知能?
と思いますよね。
EQテストは、感情をコントロールする能力を知るテストらしいです。
問題はこんな感じ。
- 友達の車に乗っていると、突然前の車が割り込んできました。
- 友達はひどく怒っており、なだめようと思います。
- その時あなたは?
選択肢は4つ。
A:事故も起きなかったのだし、大したことでないと、忘れるように言う。
B:友達の好きな音楽をかけて気を紛らわせる
C:一緒に割り込んだ車のドイラーバーを怒り、自分は友達の見方だと感じさせる
D:自分にも同じようなことがあって、その時は腹が立ったが、後でその車が事故に遭い、救急車で運ばれた話をする。
う~ん、Bかなー。
と思ったらBは5点。
Cも5点。
Aは0点。
Dが20点でした。
点数が高いほど、感情コントロールの能力が高いらしいです。
こんな問題を、今回は10問やりました。
点数の基準は次の4つの能力が高いかどうか。
- 情動を正確に知覚する能力
- 思考促進のために情動を利用する能力
- 情動の意味を理解する能力
- 自己の情動を管理し、他者の情動に対応する能力
ははーん。なるほど!
「感情をコントロールできる」っていうことは、
自分が負の感情を抱かないようにコントロールするだけじゃない。
相手がどうして怒っているかを分析して、相手の負の感情も鎮めることができる行動を取れるように、感情コントロールができる
ということですね。
さっきの車が割り込んできた話にしても、
- 怒っている友達がいる。
- その気持ちを理解する
- その怒りをどうやったら鎮めることができるかを判断する
- 友達の怒りを鎮める言動をする。
という能力が無いといけなくて、
「怒ってる?まあまあ、音楽でも聴いて忘れましょう」だと、「友達の気持ちを理解してはいない」ということか。
「相手の気持ちを理解する」
それ、前回やりました!
でも相手の感情までコントロールするのは難易度高いですね。
どうすれば?
感情をコントロールする為に毎日できること
自分の怒りや哀しみをを鎮めるだけじゃなく、相手の哀しみや怒りを鎮める能力を身に着けるためにできることが次の3つだそうです。
- 他人の気持ちを考える習慣をつけよう
- 気持ちを切り替える努力をしよう
- ひとつの考え方にこだわり過ぎない
「相手の気持ちを考える」って、やっているようで、できてないかも。
そのうえ、相手の気持ちを考えて行動したのに相手が期待通りの行動をしてくれなくても、「自分のせい」と割り切って「今回はだめだったな。次頑張ろう」ぐらいに思えないといけないわけですね。
と反省しながら、富さんの体感編に突入です。
体感編
今回は自分とは違う環境にいる人や自分とは違う人格を疑似体験。
最初は視覚障害をもったという疑似体験。
4人が目をつぶり、離れたところにばらばらに連れていかれます。
そのあと、他の人と手をつなぐために歩き回ります。
真っ暗な中を、声を出しながら他の人の声を頼りに、転ばないように、ぶつからないように恐る恐る歩いていく。
そしてやっとつないだ暖かい手。
目の見えない人はこんな感じなんだ。
とちょっと体験してみます。
全く違う人格を演じる
次に、輪になって渡された台本を読みます。
登場人物は3名。
- 頑張り屋だけど攻撃的なAさん
- なだめ役のBさん
- おとなしいCさん
3人で興した会社が倒産。
絶望する3人の会話から始まり、言い争いを経て、一緒に希望を持って明日への一歩を踏み出すまでのストーリーです。
台本を把握したら、3人ずつのグループに。
なるべく自分と違う性格の人の役を演じるように、富さんから指示が出ます。
役が決まり、どんな風に演じるかを3人で話し合い、練習を経ていよいよ上演。
台本には、登場人物のセリフが書いてあるだけなので、どんな風にしゃべるかは、グループ次第。
同じセリフなのに、グループによってずいぶん違う劇になりました。
「自分で台本を見ただけの時と、3人で台本を見て意見を言った時には全く違うものができた。」と話してくれる参加者も。
自分と全く違うキャラクターを演じることで、
「自分だったらこうするのに、なんでこの人はこういう行動に出たの?」
と考える。
役と向き合うことは、自分とも向き合うこと。
だから役を掘り下げると、自分への理解も進むらしいです。
演劇は感情コントロール
富さんは、演劇はまさに感情コントロールだと言います。
朝、悲しいことがあっても、舞台に立ったら笑顔にならないといけない。
怒りたくなくても怒らないといけない。
「どんな時でも『演じているんだ』と思うことで気持ちをコントロールできますよ」
とのこと。
演じあうことで、自分の言動が相手に跳ね返って相手の言動につながることを体感した皆さんは、「リーダーだったら感情コントロールしないと」と実感したようでした。
次はいよいよ最後の発表会。
楽しみです。