「年間売り上げ目標〇〇百万円!」

などと目標は立てたものの「それで?どうしたらいいの?」となりますよね?



「売り上げ目標を達成する」というのはどういうこと?


自分の会社が生み出す価値をお客様に提供することでしか、これは達成されません。


どうやってやるのか。


「やみくもにただ頑張ってもダメ。戦略的にやらないと。」

と言って、やることの順番を決めた人がいます。


フィリップ・コトラーさんという人です。


「マーケティングの神様」などと言われていますが、まだ生きてます。91歳。


コトラーさんによると、やることの順番は

  1. 市場機会の分析
  2. 標的市場の選定
  3. マーケティングミックスの戦略立案
  4. マーケティングミックスの実行

となります。


なんのこっちゃ?


1.市場機会の分析


コトラーさんが言うには、まず自分の事業が世の中から見てどんな状態かを把握するのが最初らしいです。


例えばおにぎり屋さんが売上を上げようとしたら、




具にしているいくらの輸入は今後どうなるの?


お米の値段は?


など、広くその業界を取り巻く環境から


今、どんなおにぎりが流行り?


近所に新しいコンビニができる?


ネットで販売するのってどう?


ということまで、いろいろ調べる必要がありますね。


まわりのことだけではありません。


うちのおにぎりに使っているノリは、他では手に入らない逸品だ。


材料が高いから値段も高い。


店員さんの評判がいい


など、他のおにぎり屋さんと比べて自分のおにぎり屋さんがどんな立ち位置にいるのか、調べる必要があります。




2.標的市場の分析


次に、どんな人をターゲットにするかを決めます。


「ターゲットを絞る?

そんなことしたら、ターゲット以外の人に来てもらえないじゃないですか!

みんなに愛される商品を作りたいですよ。」

という人もいます。


では、そこを保留にして次に進んだとしましょう。


3.マーケティングミックスの戦略立案


コトラーさんが言うには、売り上げを上げるためにやらなければならないのはマーケティングミックス。


それまでのめんどくさい調査や、ターゲットの絞り込みは、すべてがこの「マーケティングミックス」がうまくいくための準備だったのです。


じゃあ、その売り上げを上げるためのマーケティングミックスって?


それは、マーケティングの4つのP

  1. Product(製品)
  2. Price(価格)
  3. Place(チャネル・物流)
  4. Promotion(プロモーション)

です。


Product(製品)戦略


一言で「製品」と言ってもいろいろあります。


近いところで安いものを買う。どんなブランドか気にしていない。

というようなティッシュペーパーや割りばしみたいなものもあれば



口コミなんかを見て、どれがいいか、何が流行っているか調べて、お店を回って欲しいものを買うというような衣類とか家具のようなものもあります。


「絶対このブランド!」と、わざわざ出かけて行って買うバッグのようなものもあります。


欲しいと思っていなかったんだけど、お店の人に勧められて買っちゃう、保険のようなものもあります。


このように、モノには生まれ持った性質があるのです。


だから、店員さんがわざわざ特定のティッシュペーパーを熱心に勧めることもないし、セルフサービスの高級ブランド店もありません。


こうした性質をわかったうえで、じゃあどんな品質にするのか、パッケージはどうするのか、ターゲットが決まってないと、戦略が打てません。


Price(価格)戦略


価格って、いろいろありますよね。


同じコーラなのに、自販機で買えば150円


ホテルのラウンジで氷が入ったグラスに入れられ、うやうやしく持ってこられると1,000円もします。




自販機のコーラには150円の価値が、ホテルのコーラには1,000円の価値があるわけです。


価格は売り上げに直結。戦略がとても大事です。


自販機で買うお客さんに売るのか、ホテルに来るお客さんに売るのか、やはりターゲットが決まってないと戦略が打てません。


Place(チャネル・物流)


たとえ、どんなに欲しくても、ルイヴィトンのバッグをスーパーやコンビニで買いたい人はいませんよね。


スーパーで売っていないからこそ買いたいと思われる、と言っても過言ではありません。


高級ブランド店は、長い年月をかけて作り上げられたブランドを守るために自分の商品を管理できないところでは売りません。


バッグの機能だけでなく、訓練された店員さんを通してアフターサービスができる形で売るのが価値になっているのです。




そうではなく、どこでも手に入る便利なものにするために、販路をどんどん広げる売り方もあります。


どんな場所で、どんなふうに売っていくか、これもターゲットが決まらなければ戦略が打てません。


Promotion(宣伝)戦略


売上を上げるためには、マーケティングミックスといわれる4つのPがありました。


その中の「プロモーション」にはさらに!

プロモーションミックスという次の4つがあります。


  1. 広告
  2. パブリシティ
  3. 人的販売
  4. 販売促進


1.広告

広告一つとっても、新聞、看板、インターネット、いろんな媒体があります。


新聞だったら比較的高齢者向け、看板だったら近隣の人向け、などターゲットにあった広告が必要です。


2.パブリシティ

年末になると、回転すしの会社の社長が大間のマグロをさばいている映像がニュースで流れました。



テレビ局にお金を払っているわけでもないのに、全国のお茶の間のゴールデンタイムに社長の顔が出るので、すごい宣伝効果ですね。


あのように、「コマーシャル」ではなくニュースとしてマスコミに取り上げてもらうのが、パブリシティ。


3.人的販売

販売員がお客様と直接話をしながら売る手法です。


電化製品など、プロのアドバイスが欲しいときはとても助かります。


4.販売促進

POP広告からサンプル提供、ポイント増量、パンフレット、いろんな販促がありますね。


この4つをどんな風にやっていくかも、「どんな人に向けて」という視点がないと、めどが立ちません。


つまり、2番目にやるべきターゲットの絞り込みがなくては、やらなければいけないマーケティングミックスの戦略が、どれ一つ立てられないわけです。


4.マーケティングミックスの実行


こうして、どんな4Pを実施するかを決めたら、あとは実行するのみです。


コトラーさんを信じて、まずはターゲットを絞り込み、4Pのすべてをできること全てやっていくのです。


なんたって、神様ですから。