「ある企業の指針作りをお手伝いすることになりました。」と同業の方に話したら、


「えっ?指針なの? 方針じゃなくて?」

と言われました。


その違い、考えたことなかった!!


指針とは


私が好きな「新明解国語辞典」によると指針は


メーターの針

向かう(たよる)べき方針。「─を△与える(打ち出す・見失う)」


と書いてあります。

なるほど、メーターか。



そして、向かったり、たよったり、打ち出したり、見失ったりするものらしいです。


なんとなく、指針を作る人と、指針に頼って進む人が違うイメージですね。


そうなると、経営者が指針を作って、それをたよりにするのが社員という感じ?


方針とは


これも、新解さんによると


〔羅針盤の方位を示す磁針の意〕ある計画を進める上の、大体の方向づけ。

「─を△明らかにする(固める・貫く・切り替える)/︙の─に沿う/─に△従う(則ノッ

トる)/─が△守られる(曲げられる)」


なるほど。こっちは、羅針盤の針か。



そして、明らかにしたり、固めたり、貫いたり、切り替えたりするものらしいです。


こっちは、自分たちが進むために自分たちで作ったものという感じが強いです。


「指針」と「方針」の目的


「方針」は、「ある計画を進めるための」と書いてあるので、まず計画が存在するのが、「方針」の大前提。


日本にも「骨太の方針」がありますが、日本を取り巻く状況によって毎年変わります。


行動のための道筋みたいなもの。


それと比べると、「指針」は、考えるための基準みたいなもの。


「指針」が考えるためのもので、「方針」が行動するためのものと考えるといいかもしれません。


こんなに、方針と指針の違いを考えたのは初めてです。

私が指針と方針の違いを考えなかったのに、敏感に違いを感じ取る人がいたように、

同じ言葉でも、何の疑いもなく納得する人もいれば、違和感を覚える人もいます。



会社の状況を確認し、作るべきなのは指針なのか、方針なのか。


何をしたいから作るのかを明らかにしないと、社員には伝わりません。


一言で済ませてしまうのではなく、ちゃんと説明し、社員がどう感じているかを確認しながら共通理解を得ることが大事ですね。


「方針」も「指針」も、会社の方向性を示す大事なもの。


作成したら、社内に浸透させることが必要です。


ぶれない会社で、社員は安心して働くことができます。