人口ボーナスとは ~国にもライフサイクルがある??~
人口減少に歯止めがかからない!とよくニュースで聞きます。
なんでそんなに、人口、人口と騒ぐのでしょう?
日本の人口の移り変わり
私が子供のころ、「日本の人口は約1億人」と教えられました。
それが今は1億2千550万人。
多いじゃん!
日本の人口が1億人を超えたのは、1970年。
生産年齢人口といわれる15歳から64歳の人たちは、7,100万人でした。
今は7,300万人弱。
人口が増えた分、働き手だってちゃんと増えてます。
下のグラフを見てもわかるように、明治のころ、日本の人口はたったの3千万人です。
それに比べたら、1億2千8百万人が、1億2千5百万人になったぐらいでがたがた言うな!と思います。
じゃあ、その日本の人口が1億だったころと比べて何が問題なの?
というと、年齢の比率の動きです。
人口ボーナス期とは
いろいろ異論のある人はいるでしょうが、一般的に生産年齢人口と言われるのは15~64歳まで。
従属人口と言われるのは、14歳以下の人たちと65歳以上の人達です。
要は、養う人と養われる人。
この養う人の、養われる人に対する割合が増加し続ける状態を「人口ボーナス期」と言います。
人口構造がそうなっているだけで、特に頑張らなくてもボーナスがもらえる時期。
この時期には、今働いている人の後ろに、これから働いてくれる人たちが沢山控ています。
働く人の数が、養われる人の数よりも多くなっていくのがあたりまえ。
安心して経済成長のことばかり考えても大丈夫でした。
ところが、この状態はいつまでも続きません。
国の人口統計データからグラフを作ってみると、日本の人口ボーナス期が終わったのは、1995年ごろ。
ここからは、養う人より養われる人の割合がどんどん増えていきます。
人口ボーナス時期が終わるということは、後に続く働き手が減るだけじゃなく、高齢者への社会保障にお金がかかってくると言うことです。
今まで経済成長に使っていたお金はそっちに回すことになります。
日本は攻めの姿勢から守りの姿勢に入ったわけです。
グラフのオレンジの線を見ると、1935年(昭和10年)からすでに、高齢者に対する子供の割合は減り続けています。
「大変だ!少子高齢化を食い止めなければ!!」と今さら言ったところで、
「いやいや85年前から始まってます。」と言われるのがオチです。
今、人口ボーナス期にあるのはインドやアフリカの国々。
昔の日本のように活気があり、外国からどんどんお金が投入されています。
そういう時期もあるし、やがては今の日本のようになっていくわけなので、これは「国のライフサイクル」といってもいいと思います。
人口オーナス期
今の日本のように、人口ボーナス期が終わって養う人の割合が減っていく状態を、人口オーナス期といいます。
人口オーナス期にはいると、もう人口ボーナス期には戻れません。
誰も経験したことのない人口オーナス期は始まっています。
それも、結構前から。
もう若いころには戻れません。
人口オーナス期には、人口オーナス期にふさわしい働き方やビジネスに向かう必要があります。
労働力の確保も、今までとは違った工夫が必要です。
問題を解決することがビジネスにつながると考えると、今はビジネスチャンスの宝庫ともいえます。
気持ちを切り替えて、前に進みましょう。