郵便受けから新聞を取った時に、一面に大きな「ロシア、〇〇侵攻」という見出しがあると、ため息が出ます。


アフガニスタン、グルジア(今のジョージア)、クリミア半島、まだまだ沢山ありますが、そしてウクライナ。


なんでロシアはこうも「〇〇侵攻」を繰り返すんでしょう?


それは、そこに「ロシアさん、助けて。」という人たちが住んでいるから。


侵攻までの歴史


1991年、ソビエト連邦は崩壊します。


ドイツではベルリンの壁も壊れ、世界は東西冷戦から新しい道を進もうとしていた時代です。



当時、ソ連にはゴルバチョフという大統領がでてきて、新しいソ連を作ろうとペレストロイカ(革新)を提唱しました。


そして、情報公開(グラスノチ)という勇気ある行動に出たのです。


きっかけは、1986年に起こったチェルノブイリ原発事故でした。


目に見えない原発の恐ろしさに世界中が震撼しました。


今まで統制された情報しか得られなかったソ連国民にも、情報が隠されていることが命を危険にさらすことだという思いが募ったのです。


情報が公開され、活発に議論することができるようになると、国民は民主化への道を進みます。


次々にソビエトから独立し、新しい国を作っていったのです。


大きなソビエト連邦は崩壊し、残ったのはロシアという1つの国でした。



でももちろん、独立した新しい国々も、うまくいくことばかりではありません。


「新しい国になって良かった」という人もいる反面、「やっぱりソ連が良かった」と思う人も出てきます。


「やっぱりソ連が良かった」という人は、新しい国の中で戦いを起こし、国の中では「犯罪者」として扱われてしまいます。


それにつけ込んで「その人たちの人権を守るために」プーチンが侵攻するのです。


ウクライナの場合


今、ウクライナで「やっぱりソ連が良かった」と言っているのは、東側の一部の地域。


その人たちは、自分たちの地域に、『ドネツク人民共和国』と『ルハンスク人民共和国』を樹立。


勝手にウクライナ国内に独立国家を作ってその勢力を広げようとしています。



実際、ウクライナ語ではなくロシア語を話し、お金もウクライナ通貨じゃなく、ロシアのルーブルを使っています。


ここはもともとロシア人が多い地域ですが、ロシア人だからと言って、全員が「やっぱりソ連がよかった」と思っているわけではなく、そういう人は3割程度だと言われています。


でも、道路で3割の車があおり運転をしていたらどうでしょう。怖くて運転できません。



これは、ウクライナの国の中のことなので、ウクライナ政府が解決すればいいのですが、それができないのでプーチンがしゃしゃり出てしまうのです。


連日、ロシアの侵攻の様子が報道され、「経済制裁なんてプーチンにとっては痛くもかゆくもない。」という無力感が世界中に広がっています。


でも、だからと言ってほかの国が軍事介入したら、戦争は大きくなり、巻き込まれるウクライナ市民の数が増えるだけです。


隣人がロシア


「自分の国の隣がロシア」というのは、やりにくいですよね。


ましてや、「昔は自分たちもその国と同じ国民だったけど、それが嫌で独立した」という歴史があります。



それにもまして、国の中にはロシア人が沢山住んでいるのです。


そんな国が、NATOにつくか、ロシアにつくか、という選択肢だけを突き付けられて、迫られていたらいつまでも争いは終わりません。


ウクライナは、ウクライナという誰にも文句を言われない独自の国を造れたら一番いいと思います。


国民の声を反映させた正しい選挙で国造りができるよう、世界中が支援するっていうことなんじゃないかなと思うのです。