先日、友達の用事に付き合って秋田市に行った時、このお友達がお気に入りの場所にランチに連れて行ってくれました。


「何を食べてもおいしいの! 秋田市に来るとつい寄っちゃう。」と言います。


確かに!


まるでお料理上手の素敵なおばさんのうちにきてご飯をごちそうになっているような、ついつい来ちゃいたくなる居心地よさ。



新しいお店ができては消えるなか、半世紀以上続いているのも納得です。

「おいしい」じゃなくて「好き!」


このお友達にしてみると、この喫茶店はもう「おいしい」とか「居心地がいい」というレベルではなく、「好き!」の領域。


ほかのおいしいお店に行くこともありますが、ここは格別。


長~く通い続けるし、友人を誘って行ったりもします。


そして、話は変わりますが、

私は「ふっくら大粒」という納豆が大好きです。


冷蔵庫にこの納豆があると、他のおかずがショボくても大丈夫な安心感があります。



ちょっと高いけど、食べた時の満足感を考えたら、こっちを買ってしまいます。


そして、「『ふっくら大粒』の豆の存在感と言ったら・・」などと友人に熱く語ったりします。


やはり、「おいしい」というレベルではなく「好き!」の領域です。


友人の心の中には、あの喫茶店の居場所があり、私の胃袋には、他の納豆ではなく、この「ふっくら大粒」の居場所が確保されているのだと思います。

         

顧客ロイヤリティとは


ブランドや商品、またはサービスに対して感じる「信頼」や「愛着」のことを「顧客ロイヤリティ」と言います。


顧客ロイヤリティが高いと、われわれのように

  • 定期的に利用する
  • 周囲の友人や知人に勧める
  • ずっと継続して利用する
  • 少しぐらい高くても許せる

というようなことが起こります。


みなさんも、このようなことがあるのではないでしょうか?


お店側にしてみると、呼び込みの努力しなくても勝手に来てくれて、頼まれてもいないのに周りの人たちに宣伝してくれるありがたい存在です。


実際に、企業の8割の売り上げを支えているのは、こうしたロイヤリティの高い2割のお客様だと言われています。



顧客ロイヤリティを高めるには


私たち消費者は、自分のライフスタイルにしっくりはまり、ず~っと使い続けられる商品を探し求めて旅をしているようなところがあります。


自分の肌が喜ぶ化粧品、ほっこり幸せになれるカフェ、そんなものが見つかったら、もう探し回らなくてもいいので、うれしい。


消費者が「やっとめぐりあった!」と思える存在になるにはどうしたらいいかを、企業は日々考え、そして、長くお付き合いしたいと考えているのです。


ロイヤリティの高いお客様を離さないよう、もっと好きになってもらえるよう、

「あなたはゴールド会員です。30%引きになります。」

などと、えこひいきとも言える優待サービスを提供します。


他のお客さんはさておき、ロイヤリティの高いお客様が喜ぶサービスを提供していくのです。



顧客ロイヤリティを消し去る行為とは


でも、それほど大切な顧客ロイヤリティを一瞬にして消してしまう行為をする企業もあります。


その行為とは、

検査データの改ざんや、食品偽装。


顧客ロイヤリティの大切さを十分わかっているはずの大きな自動車会社や老舗の料亭が、まさかの裏切り行動。



売り上げの8割を支えていたお客様は、ほかのブランドに大移動して、二度と戻ってこないという結末に。


利益が生み出される場所は?


「顧客志向」と叫びながら、どうしてこんな行動を???


これは、「利益」と「顧客ロイヤリティ」に対する企業の考え方の違いと言われます。


1.顧客ロイヤリティを高めれば利益が上がると考える企業

2.顧客のロイヤリティを高めるのは、利益を出す手段の一つと考える企業


1の企業は、顧客ロイヤルティを高めることがゴールで、それが結果的に利益をもたらすと考えます。


だから利益を出すには、お客様が喜ぶものを作らないといけないと考えています。


2の企業は、利益を出す方法が色々あり、その中の一つが顧客ロイヤリティを高めることだと考えています。


利益を出すのがゴールだから、会社が損失を出すことが何より怖い。


そんな思いが、お客様のことを忘れてしまう原因に。


利益を考えずに顧客にサービスしていたら、それは企業じゃなく、行政やNPO法人になっちゃいますが、


企業の中にあるのはコストだけ

利益はお客様だけからしか生まれない


とうことを考えたら、お客様を忘れるわけにはいきません。