「IT化しないと、時代に取り残される」とか言われるけど、パソコン苦手だし」

と、ついつい避けて通りたくなります。


そもそも、IT化って、何?


今回は、企業のIT化を解説します。


IT化とは


「IT化」するときに使われるのはコンピュータとネットワークです。


コンピュータとネットワークの力を借りて、業務を効率化したり、サービスを充実させたりして売り上げアップを目指すのが、「IT化」の目的です。


コンピュータができること


コンピュータは、大きく5つのことができます。


  1. 入力:「コンピュータ」という箱の中に、企業が持っているいろんな情報を入れることができます。キーボードを押せば文字が、マイクをつけて話せば音が、カメラを取り付けると画像が、コンピュータに入ります。
  2. 記憶:入力した情報を覚えてくれます。
  3. 演算:入れた数字を計算してくれたり、並べ替えてくれたりします。
  4. 制御:まるで、自動運転の車のよう、スピードを抑えたりしながら目的を達成してくれます。
  5. 出力:入れた情報は、もちろん取り出すことができます。

   


この5つの能力で、「毎日、売り上げの数字を入れるだけで、月末には月次決算書類ができあがる」というようなことや、「来店したときに、お客さんの情報を更新するだけで、どんな地域のお客さんが多いのか、何曜日の何時に多いのか、などお店の特徴を把握できる」というようなことができます。


ネットワークができること


ITの世界の中で「ネットワーク」というのは、世界中のコンピュータが繋がっている状態。


そのおかげで、外から欲しい情報を入手したり、逆に伝えたい情報を外に発信したりすることができます。


それに加えて、Aという個人のお客さまに、24時間、都合のいい時間に連絡することができ、相手も都合のいい時間にその連絡を受け取ることができます。



コンピュータとネットワークの両方を使うことで、「40歳の女性のお客様に、一斉にキャンペーンのお知らせを流す」とか、「お店に必要な日曜消耗品が、無くなる前に自動的に発注する」などが可能に。


手間のかかっていた業務に割かれる時間をぐっと短縮して、お客様へのサービスの充実にもっと時間を割くことができます。


こういうことを「IT化」と呼んでいて、このコンピュータとネットワークを使ったさまざまな便利なものが世の中に登場しているのです。


美容院のIT化


小さな「美容院」を例に、どんなIT化ができるかを考えてみます。

  • 〇〇美容室は、「お客様にあった素敵な髪形や、お店での心地よい時間を提供してお客様に喜んでもらう」ということがやりたいと考えています。
  • でも日常のいろんな繁雑な業務に振り回されていることで、なかなか理想の運営ができないという悩みを抱えています。
  • そして、コロナ禍の影響も少なからずでているので、これも対策したい、と考えています。


として、IT化での解決策の例を挙げてみました。


雑誌の電子化


毎週、数種類の週刊誌を注文して並べるのも、時間がとられる。


電子書籍のタブレットを置くことで、お客様に合った書籍を選んでもらえる。


必要に応じて字を大きくして読むことができる。


コロナ対策の消毒が、雑誌より簡単。



キャッシュレス決済


電子マネーなどで払いたいお客様が増えている傾向がある。


現金を触らなくてもいいのでコロナ対策にもなる。


お釣りなどの煩雑なやり取りが軽減。




オンライン予約システム


24時間対応できるので、日中仕事で予約が難しいお客様にも対応できる。


フリーWifiの提供


カラーやパーマで待っている間、スマホで動画などを観たいお客様にも対応できる



顧客管理を電子化


カルテをすぐに取り出せるし、情報の更新も楽。


シャンプーや、お客様用のコーヒーなどの管理をIT化


毎回同じような注文を、わざわざ紙に書いたり電話したりしなくても自動的に発注。


ホームページなどの導入


コロナ対策をしていることをHPやSNSなどでPRできる


旬の情報を発信できる。


ビデオで撮った動画を従業員の教育に使う


お互い忙しくて、まとまった教育の時間が取れなくても、動画でじっくり先輩美容師の技術を習得できる。


などなど、一般的な会計システムはもちろん、美容院ならではの業務効率化、サービスの充実も可能です。


IT化に潜む危険


しかしながら、いいことばかりではありません。


個人情報の漏洩や、ウィルス感染、機器の故障などがあると、お店のダメージに。


そこで、

  • お店の業務で使用するネット回線と、お客様に使ってもらう回線を一緒にしない
  • 保険に入る
  • セキュリティ対策をする

なども、セットで必要になります。


費用も安くないし、使いこなせるか不安、と思いますが、それを助けてくれるのが、「IT導入補助金」です。


 IT導入補助金とは


「IT導入補助金」は、ここ5年ぐらい続けられている補助金で、中小企業のIT化の際の費用の半分を補助します。


今年はこの通常枠のほかに、「低感染リスク型ビジネス枠」も登場しました。


もしお店がやりたいIT化が、感染のリスクを低くするためのもので、条件を満たしていればこの「低感染リスク型ビジネス枠」での申請も可能です。その時は通常枠では1/2だった補助率が、2/3に増加します。



通常枠の中には、AとBの類型があり、低感染リスク型ビジネス枠には、CとDの類型があります。


これは、ITを入れることで改善されるプロセスが、いくつあるかの違いです。


例えば、今まで手書きだった会計処理を、コンピュータソフトを使ったものにすると、「会計」「財務」が改善されるので、プロセスは2つ。


さらにこれで「給与管理」、「勤怠管理」が改善されれば、プロセスは全部で4つになります。



1次公募の締め切りは、5月14日ですが、7月には2次公募が、そのあとも3次公募、4次公募が始まる予定です。


IT導入支援事業者とは

このIT導入補助金を申請するには、「IT導入支援事業者」と一緒に申請する必要があります。


逆に、ITに詳しい支援業者に、支援してもらいながら申請ができ、導入後もフォローしてもらえるので、安心です。


このリストにある業者からIT化のためのツールを購入・レンタルしなければ、補助金はもらえません。


ちなみに、秋田県では、現在のところ下記の業者がIT導入支援業者となっています。リストは順次更新されていますので、ご確認ください。



補助金の申請には、GビズIDというものが必要です。取得までに3週間ぐらいかかりますので、申請をお考えであれば、早めの申請を。