「脇役がいいと、主役が成長するんですよ」

と、わらび座の山川社長は言います。


「どーゆーこと???」


演劇で高まるコミュニケーション能力とは


サッカーで得点できるのは、ゴールの一瞬。

でも、シュートが決まるためには、そこまでボールを持っていく絶妙なパスが必要です。



演劇も、主人公が放つ感動の一言に持っていくのは、脇役の渾身の演技です。


演劇でコミュニケーション能力が高まる」と聞いたとき、「相手を感動させる能力のことですね?」と思っていたんですが、

そうではなくて、「相手の素晴らしい演技を引き出す能力」ということだったんですね。


相手の最高のパフォーマンスを引き出すための、最高のパスの連続。


そんなもので、演劇はできています。




ということは、そんな能力が、人間に備わっているということ?!


演劇の力でヒューマンビジネス


それを、引き出してくれるのが、「シアターエデュケーション」。


プロの俳優陣による、演劇的人材育成プログラムです。



相手のすべてをしっかり受け止めて、自分が持っているもの全部を使って表現する力。


そんな素晴らしい力を育てるさまざまなプログラムが用意されています。


「どうしても、自分の言うことばかり一生懸命になってしまうのですが、相手の言うことを受けて言葉が出てくる、そういう相手の言葉の中に答えがあるということが大事だなぁと思いました。」


これは、幹部研修に参加した方の感想です。


送り出した経営陣も、社員の皆さん自身も、成長や変化に大きな手ごたえを感じているようです。



貧困問題や環境問題など、社会の問題を解決するためのビジネスは、ソーシャルビジネスと言われます。


でも、「社会問題」という大きなくくりの前に、人間そのものも問題を抱えています。


そしてそのほとんどは、コミュニケーションの問題だと言われます。



これを解決するためのわらび座の取り組みは、言わば、ヒューマンビジネス



わらび座では、これを医療の世界にも広げていこうとしています。


それは、認知症の分野。


脳は玉ねぎのような作りらしく、まず芯になる部分があって、そのあとに記憶の皮が外側に外側にできていくらしいのです。



そして、認知症になると、一番外側の皮からダメージを受けていくようです。



でも、芯の部分は最後まで残り、表現力のボールを受け取ったり渡したりすると、この芯に刺激が与えられて、脳が活性化するらしいのです。


演じたことの記憶は残っていなくても、演じた時の嬉しさは、確実に脳に刻まれます。



その積み重ねで、患者さんの表情が変わっていくらしいのです。


わらび座がめざす世界


「地元の人が集まる居酒屋に立ち寄ってみたら、おじいさん、おばあさんがお芝居の話題でもりあがってた。なんてことがあったら、かっこいいよね」と山川社長は言います。


それ、すごくいい!


「近頃足腰が弱ってきて」なんて話よりも、「あそこのセリフはもっとゆっくり言ったほうがいいよ」とかなんとか、飲みながらワイワイ話してたら、とても素敵です。



訪れた観光客は「おっ、この町のじいさんたち、タダものじゃない!」って思います。


相手の最高のパフォーマンスを引き出すことの連鎖で世の中が満ちていたら、世界はもっと素敵になるかも。



そんな世の中を目指して、素敵なパス回しが、わらび座から始まっています。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!

わらび座 山川社長と話していると、秋田がとても素敵な場所に思えてきます。

貴重な時間をありがとうございました!(わらび劇場の前で)