問題は価格? ~売り上げは工夫の組み合わせでできている~
先日受けた店主からの相談内容は、
「原価計算のやり方を教えてほしい」
というものでした。
飲食店では、
「原価率を下げる」
という話がよく出てきます。
やっぱり、思うように売り上げが上がらないと「価格」を考えてしまいますよね。
原価計算が問題なの?
そのお店は、店主一人で営業していました。
- 営業時間は、11時〜15時。
- 席数は12席。
- 平均客単価は千円ほど。
11時から15時までお店を開いていても、ランチのお客様が注文するのは11時半から12時半ぐらいまで。
注文を受けてから一人で料理を作り、提供するまで10分かかります。
そうなると、提供できる料理の数は1時間当たり6食。
聞いてみると、一度に6人も来て別々注文されると「てんてこまい」だそうです。
ということで、ざっくり一日の売上は10食×千円で一万円。
土曜日はお休みなので、一か月25日営業。
売上は1万円×25日で25万円。
観光地ではない小さな町の飲食店では、このようなケースも少なくありません。
まずは固定的に出ていくお金を考える
材料費のほかに、毎月決まってこんな経費がかかります。
- 家賃 3万円
- 水道光熱費 5万円
- 通信費・雑費 3万円
- その他経費 10万円
合計すると、毎月21万円。
そして、さらに、銀行への返済が5万円あります。
25万円ー21万円ー5万円=-1万円
赤字になってしまいます。
では、価格を上げますか?
いくら上げれば、返済できるのでしょう?
必要なお金から価格を決めると?
ひと月に必要な売上は、決まって出ていく21万円と返済分の5万円。
あわせて26万円です。
お客様は一日10人だから、25日営業だと月に250人。
26万円/250人=1040円
ということは、
一人のお客様から、材料費を除いて1,040円の利益を残す必要があります。
今、このレストランの原価率は40%。
1食当たりの材料費が400円かかっているので400円+1040円。
必要な経費を賄える料理の価格は1,440円となります。
これでは、利益が出ていないので、それ以上にする必要があります。
問題は別のところかも?
現在、このお店の原価率は40%です。
原価率を変えて利益を多くするためには、
- 材料費を減らして原価率を下げるか、
- 価格を上げて原価率を下げるか
の2択です。
この物価高の中、材料費を減らすのは至難の業。
だからと言って、ランチをいきなり1,500円にするのもお客様が来なくなる可能性がありますよね。
メニューの値段を上げるには、「料理以外の価値」も上げる必要があります。
- お店の雰囲気
- 店内の飾りつけ
- 清潔感
- 接客態度
- 居心地
- 写真映えする盛り付け
などなど、料理の味以外にもお客様がその価格に納得する必要が出てきます。
経営は「組み合わせ」を考える仕事
必要なのは原価計算だけではありません。
売上は、客数×客単価。
- どれだけ多くのお客様に来ていただけるか。
- 一人のお客様に、どれだけお金を払っていただけるか。
どっちも考える必要があります。
そして、
ランチだけの時間に1人で作って提供できる量は限られています。
お客さんに沢山来てもらっても、ランチに集中したらどうでしょう?
もっと「てんてこまい」になって、お客様の信用を無くしてしまう可能性も。
- 調理を効率化して、もっとお客様に対応できるお店にする。
- 前もって準備できるテイクアウトのお弁当を充実させる。
- デザートを提供して、お茶の時間のお客を増やす。
など、ランチ以外のお客様に来てもらえるしくみが必要ですね。
カフェを始める前に
一人でカフェをやりたいという人はたくさんいます。
一人で対応するなら、自分の限度を考えることも大事です。
- お客様が来なくても必ず出ていく家賃や光熱費はいくらか。
- 毎月の返済はいくらか。
- お客様は何人ぐらいが限度か。
- そのためには客単価をいくらに設定するか。
- その価格にふさわしいお店のスタイルはどんなものか。
などなど。
せっかく自分でお店を始めたいなら、自分が幸せになるお店にして欲しいと思います。