中小企業基本法とは ~世界にもまれな、中小企業政策の憲法~
日本には、「中小企業基本法」という中小企業にとっての憲法があります。
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中小企業基本法とは
これは、中小企業はどうあるべきで、そのために国や自治体は何をすべきかが決められたものです。
これがわかると、どうしていろんな補助金や支援策があるのかが、腑に落ちると思います。
歴史
この法律ができたのは、1963年、昭和38年です。
このころ、日本は高度成長期。
小さな町工場が、どんどん大きな企業に成長していきました。
一方、そんな大きな会社を支える下請け企業も出てきます。
こうした企業は、大企業に利益を持っていかれるので、なかなか大きく成長できない。
中小企業は、
大きく成長して大企業になる企業と、
大企業を支えながらも大きくなれない企業に分かれていきます。
「この格差をなんとかしなければ」ということで出てきたのが、中小企業基本法です。
その後、1999年(平成11年)には、
中小企業は、大企業に成長するものだと思っていたけど、そうでもない。
今や日本の99%は中小企業。
そして、中小企業には中小企業の役割がある。
と思い至ります。
中小企業は命がけで24時間考え、大企業には考え付かない素晴らしい発明ができる。
でも、技術者集団なので経営はちょっと。
だから、
環境の変化に適応した経営や、
ベンチャーのような新しい産業の創出にも、
支援しなければ、
ということで、平成の改正が行われます。
その後、時代に合わせた改正が行われて今に至ります。
理念
中小企業は、こんな役割を担っています。
- 新たな産業を創出
- 就業の機会を増大
- 市場における競争を促進
- 地域における経済の活性化
1.新たな産業を創出
今まで世の中になかったものを生み出すのは、中小企業。
社長も社員も「こうしたら?ああしたら?」と考え、様々なビジネスを生み出しています。
2.就業の機会を増大
その地域の雇用を生み出すのは中小企業。
日本人の7割は中小企業で仕事をしています。
3.市場における競争を促進
ビジネスでは、下克上が盛んです。中小企業は市場の競争を促進しています。
4.地域における経済の活性化
地域に企業がなかったら、経済が停滞します。
地域経済の活性化のために、中小企業は欠かせないのです。
中小企業が、この役割をしっかりと果してくれるよう、国や自治体は、手を変え品を変え、
それを支援していこうという理念を掲げました。
どうやって?
例えば、新たな産業の創出だったら、
通常の創業支援はもちろんですが、
融資が受けにくい女性や若者の創業を助けるために、資金や情報の提供を行ったりしています。
そのほか、
- 中小企業の経営基盤の強化を図ること。
- 海外展開、IT化、
- 経済的社会的環境の変化への適応の円滑化
- 事業承継
- 資金の供給の円滑化及び中小企業の自己資本の充実
など、方針を決めて取り組んでいます。
中小企業基本法は諸悪の根源??
実は、こんなふうに中小企業に対する法律が充実しているのは日本だけだといわれます。
おかげで世界に類を見ないほどの廃業率の低さです。
でも実は、
経済成長しているのは、中小企業がバタバタと倒産して、失業者があふれかえっている米国や欧州の国。
企業が倒産しない日本だけが成長していない。
とも言われます。
菅首相の時、中小企業の生産性の低さを問題視して、中小企業再編論が浮上していました。
「菅首相は、中小企業を潰そうとしている!」「菅首相は中小企業基本法が諸悪の根源と思っている!」と騒がれたこともありました。
でも、実は「がんばっている中小企業をもっと大きく成長させて、従業員にもっとたくさん賃金も払えるようにして、日本経済を活性化していこう。がんばらない企業については、国民の血税を使って支援する必要はない。」
ということだったと思います。
これは、現在の内閣にも、「新しい日本型資本主義∼新自由主義からの転換∼」ということで引き継がれています。
まとめ
何はともあれ、中小企業基本法は日本を支える役割を持っている中小企業を支援していこうという想いにあふれています。
日本の国は、会社の廃業ではなく、中を新陳代謝させて、会社自体はなるべく存続させようとしているように思えます。
必要な時に、支援策をしっかり使って、組織を新陳代謝させましょう。